ー放課後ー
さ「うらさん、帰ろー」
う「おう、ちょっと待ってもう終わるから」
せ「うらたん、坂田じゃーね〜」
し「じゃーなー」
さ「おー!ばいばーい!」
う「ばいばーい」
彼の帰りの準備を待ちつつ2人を見送ってるとするりとセンラが志麻くんと腕を絡めていた
さ(大胆なことするなぁセンラ…まぁ公認カップルだし本人達はええんやろうけど…)
ちらりと横目で彼を見る
やはり彼も2人のことを見ていたようだった
さ「うらさん終わった?帰ろ?」
う「あっ、うん」
さ「あ、そう言えばこの間駅前で──」
くだらない話は思いつくのに苦しそうな表情の彼に何を言ってあげればいいのか分からない
彼を抱きしめていい理由も見つからない
う「…………」
さ「……そんな悲しそうな顔しないでや」
う「…だって、好きなんだもん…悔しいじゃん。」
さ「っ……」
あぁ、そうか
そうだよな
さ(俺だけ、やないもんな…苦しんでるのは)
ピロンッ
不意に自分の携帯が鳴る
画面の通知を見てみると
さ(あ、そっか…もう1年経つんか、早いなぁ)
さ「うらさん!元気だしてや!パンケーキ食べに行こ!俺が奢るから!」
う「えっまじ?奢ってくれるの?じゃあ行く!」
さ「現金な奴やな!wはよ行こ!」
う「あ!おい待て走るな!」
君を好きになってから1年
まだこの想いは封じ込めさせて、彼が自分の好きな人に想いを伝えるまでは
ハッピーバースデー、片想いの俺
END
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。