第38話

カッコよかった
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2021/06/14 11:32

佳奈「ゆう」


優「まかせて」


佳奈からボールを受け取る。


そのままドリブルをして、シュートを決めると応援に来ていた男子達から歓声があがった。


公平「ナイス!」


奈生「優カッコイイよ〜!」


周「優!」


周と目が合うと周は笑ってピースをした。


私も笑ってピースをする。


女子「なになに〜、なんか仲良さげじゃん?」


近くにいた女子達がニヤニヤしている。


女子「付き合ってるの?」


優「付き合ってませーん、ほら!ボール来るよ!」


私は女子達の頭を両手でぽんとした。


ピピーッ


「「「ありがとうございました!」」」


決勝まで進んだ私達は3年生のクラスに負けて2位になった。


周「おつかれ」


周は笑っていた。


優「おう!」


私も笑って周にハイタッチをする。




__午後 __




午後からは男子のバレーだ。


私達のクラスの男子は今決勝戦をしている。


愛衣「男女どっちも決勝行ったよ!すごい!」


隣に座る愛衣が興奮気味に話す。


佳奈「頑張れ〜」


優「がんばー!」



相手チームがサーブをする。


公平「はーい」


公平が手を上げてボールを綺麗にセッターに返す。


周「俺行く!」


周が叫んでセッターの男子が周にトスを上げると、周は高く飛んでスパイクを決めた。


女子「きゃー!!」


女子「緒方くんすごい!!」


女子「緒方ってカッコイイね」


女子達が周を見てキャーキャー騒ぐ。


佳奈「緒方すごいね」


佳奈と愛衣が笑って試合を見ている。


優「かっこい、」


私はハッとして顔を赤くすると、2人が驚いた顔でこっちを見ていた。


愛衣「へ!?今、カッコイイって!」


佳奈「言ったよね、」


私は恥ずかしくて誤魔化した。


優「違う、ただ、思っただけで」


佳奈「お前誤魔化せてないぞ」


佳奈は少し笑って言う。


私は一気に熱くなった顔を両手でおさえる。


愛衣「ちょっとちょっと!顔を見せなさい!」


佳奈「赤い、可愛い」


優「うっさい!!」


私は2人に顔を赤くしたまま言うと2人はまた笑って試合を見だした。


ピピーッ


試合が終わった。


男子は惜しくも負けてしまって、男女ともに2位だった。


佳奈「あれ、優どこ行くの?」


愛衣「男子帰ってきたよ?」


優「ちょっと自販機行く!」


周と顔を合わせるのがなんだか恥ずかしくて逃げてしまった。


自販機で水を買ったあと、中庭にあるベンチに座った。


私今日変だ。


なんでこんなドキドキしてんだろ。


周「ゆーっ」


優「しゅ、う」


私は驚いて、立ち上がる。


周「俺も座ってこーかな」


周は汗を拭きながら笑った。


優「うん」


私は小さく頷いて周の隣に座る。


周「俺カッコよかった?」


周はニッと笑ってこっちを見た。


私は少し考えて小さい声で言った。


優「カッコよかった」


周「え、優今日素直」


周は驚いて私を見る。


私は誤魔化すように笑って周を見た。


優「いつも素直だわ!」


周はへへっと照れたように笑った。


周「そっか、嬉しい、ありがとう!」


周の素直な笑顔で私の心がきゅんとした。

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