第27話

誤解されたまま...
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2018/08/16 22:10
大貴
いいよ?・・・別にっ


彼の言葉が私の頭の中で、ぐるぐる回り続ける。

あなた
...ほんとに、違うよ?


念を押してそう伝えるけど、有岡くんは
どっちを信じるのだろうか.....

大貴
山田が別の学校に転校したのと同時に
別れたって...あいつ、そう言ってたけど...


今となっては、もうどうしたら
いいのか案が浮かばない。





山田くんは頭がいい。




証拠がなくても口先だけで、上手いこと
相手を信じ込ませられる。

あなた
違うよ・・・
大貴
もし遠距離が理由で別れたんなら...
久しぶりに会えて、嬉しかっただろうなって


そこでやっと理解ができたのだ。




昨日、私が山田くんと話している時に、
彼は私の腕を掴んでその場を後にした。




だから、迷惑とか、邪魔とか...
そんな言葉がら出てきたのだろう...




でも私は山田くんが好きなわけではない。




好きなのは、目の前にいる彼なのに...。




...色々、誤解を解くのは多いけど
これだけは言える。ちゃんと知ってもらわなきゃ。

あなた
私、有岡くんと一緒にいるのすごく好きっ。だって楽しいんだもん...迷惑とか邪魔とか、そんな事思ってたら自分から避けるからっ


彼はとてもらしくない表情をしていた。

あなた
・・・もっと、自信持ってよ・・・


この流れで、勢いで思いを伝えられたら
どんなに癒えることか。



けど、私にそんな勇気はまだなかった。

大貴
そっか!.....なら良かった


良かったって.....口ではそう言ってるけど
本当に心からそう思ってる?




私が山田くんと付き合ってたってそんな嘘の
情報信じて、良かったって本当に思えたの?





ちゃんと疑って欲しかった。
聞いて欲しかった。




山田と本当に付き合ってたの?って...
ちゃんと信じて欲しかった。




それが嘘だって。




彼と少しでも、仲良くなりたい。



距離を縮めたい。




お互いの事を知ってもらって
自分も知り尽くしたい。

大貴
じゃあ俺、戻るわっ


ちゃんと話ができたのに、
スッキリしないこの感じ...




晴れ晴れしないこのモヤッとした感覚に
私はもっと悩まされる。






山田くん.....何でそんな事言ったの?

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