第5話

Episode 5
5,907
2020/05/07 07:15
私
(そういえば、午後自習だったな…)
ふと、そんなことを思い出す。
特にやることもないからスマホを弄っていたら、蛍からLINEが来た。
月島蛍
月島蛍
💭何してんの?
私
💭やることないから、スマホ弄ってた
月島蛍
月島蛍
💭テストで赤点取っても知らないからね
私
💭勉強教えてください
月島蛍
月島蛍
いいよ
LINEでやり取りしていたはずなのに、気がついたら目の前に蛍がいた。
前の席の子はどこに行ったんだろうかとキョロキョロすると、彼女さんと楽しそうにしている姿が目に入った。
私
蛍、いつからいたの?
月島蛍
月島蛍
んー、自習始まってすぐくらい
みんな、それぞれ恋人とか友達のとこにいってたから
私
山口くんのところに行かなくていいの?
月島蛍
月島蛍
あいつ、彼女出来たらしいよ
蛍が指さした先を見ると、彼女さんと楽しそうに話している山口くんがいた。
私
てか、今思ったけどこのクラスのカップルの割合えぐいよね
月島蛍
月島蛍
6割か7割はカップルだもんね
私
他のクラスの子たちに、良く羨ましいって言われてるよ
月島蛍
月島蛍
まぁ、他より多いんだろうね
そんな会話をしながら、私は数学の教科書を開いた。
勉強が全体的に嫌いというよりは、数学だけが赤点ギリギリなんだよね。
月島蛍
月島蛍
で、どこがわからないの?
私
えっとね、この図形の問題がわからなくて…
月島蛍
月島蛍
こんなの簡単じゃん
私
うぅ…
月島蛍
月島蛍
勉強教える代わりにさ、ご褒美ちょうだいよ
私
うん!
もちろん!
月島蛍
月島蛍
じゃあ、教えてあげる
それから、蛍に教えてもらいながら問題を解き、教わったところは大体理解した。
やっぱり、蛍は教え方が上手い。
月島蛍
月島蛍
放課後、楽しみにしてるね
私
うん、ありがとう…!
蛍くんはそれだけ言い残して席に戻って行った。
放課後、試練が待ち受けてるなんて私は全然気が付かなかった。

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