第59話

#58 夢が叶う瞬間
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2026/05/27 13:00 更新






朝の光が、

店内のガラス越しに

やわらかく差し込む。



まだ開店前の静かな時間。

コーヒー豆の香りだけが、

ゆっくりと空間に広がっていた。



この場所に立つたびに、思う。

ここは、テヒョンの夢の形で、

そして__

いつの間にか、

俺の夢にもなっていた場所だって。



v「……ジョングガ」



呼ばれて振り向くと、

テヒョンがカウンターの

向こうに立っていた。



手には、

何かを持っている。



v「ちょっと、来て」



そう言われて近づくと、

差し出されたのは、

黒いエプロンと、

小さなバッジ。



見慣れているはずのそれが、

今日は少しだけ違って見えた。



jk「……これ」



思わず、声が漏れる。



v「職員用。今までのとは違うやつ」



淡々とした言い方なのに、

どこか照れているみたいに

視線を逸らす。



v「今日から、正式にこっち側な」



その一言で、

胸の奥がじん、と

熱くなる。



大学を卒業して、

ただ“手伝う人”じゃなくて、

ここで働く1人として、

認めてもらえた気がした。



エプロンを受け取って、

そっと身につける。

布の重さが、

少しだけ違う気がした。



バッジも、胸元につける。

それだけで、

不思議と背筋が伸びる。



v「……似合ってる」



ぽつりとテヒョンが言う。

その声に、自然と笑ってしまう。



jk「……ありがとう」



少しだけ照れながら言うと、

テヒョンは、

いつもの少しやわらかい顔で、



v「ようこそ。VJ Cafeへ。」



そう言った。

その言葉は、

どこか儀式みたいで、

でもすごく温かかった。



俺は、一歩だけ近づいて、



jk「これからは、
 テヒョンをちゃんと
 支えていくよ」



まっすぐに伝える。



夢を追いかけてきたこの人の、

隣に立つために

ここまで来たんだから。



テヒョンは、

少しだけ目を細めて、



v「……無理すんなよ」



そう言ってから、



v「2人で、ゆっくりやっていこ」



と、やわらかく笑った。

その言葉が、

胸にすっと落ちる。



焦らなくていい。

競わなくていい。



ただ、並んで

歩いていけばいい。



店の扉の向こうでは、

今日も誰かの日常が

始まろうとしている。



俺たちの夢は、

特別なものじゃない。

この場所で、

この香りの中で、

少しずつ形になっていくもの。



___そして今、

その夢の中に、

ちゃんと自分が立っている。












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