連れて来られたのはかなりと言うより比較できないほどの大きな家。
家の周囲は高い壁で囲まれていて、中が全く見えない。門が横に長い。
天ヶ瀬さんがついてきていることだし、そんなことは無いと思ったが、その家の威圧感は彼(天ヶ瀬さんが呼ぶに悠くん)の視線の威圧感と同じものだった。
天ヶ瀬さんと僕とその彼は家へと入った。
これはたまに見る
“金出せよ”
の展開ですか!?
いやいやいや、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
恐怖でしかねぇ…!!
差し出されたティーカップ。
これ、のんじゃいけないやつだよね?
断れずに口へ運ぶ。紅茶がのどを通る数秒前、僕はこの味のおかしさに気づいた。
えー!?人ん家デスヨ??
天ヶ瀬さんの兄の家=天ヶ瀬さんの家
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。