第8話

気づいた僕と気づかぬ私
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2025/01/07 07:59 更新
(なまえ)
あなた
はあ〜、両側につけるなんて…
つけられた人の気持ちも考えてくれ…

昨日の出来事だった。



ニコライに続き、シグマにも赤い目印をつけられたあなたは、どうにかして消したいと思い鏡の前で悪戦苦闘していた。
(なまえ)
あなた
崩れにくいファンデしとこ…
フョードル・D
フョードル・D
お早う御座います、あなたさん。


    
      チ ュ ッ
(なまえ)
あなた
ふぇ、え、?

額に、何か柔らかいものが当たった。
フョードル・D
フョードル・D
鈍いですね。
愛情表現に気づかないなんて。
(なまえ)
あなた
あ…愛情表現…!?
シグマ
シグマ
フョードル!!!
私のあなたに何やってんだよ!?
(なまえ)
あなた
シグマ君!!
シグマ
シグマ
お前なぁ、先を行き過ぎなんだよ!
愛情表現っていうのはなぁ!まずはこうやって相手の手を握って…
(なまえ)
あなた
え、っ…














    恋 人 繋 ぎ ───────── ?














フョードル・D
フョードル・D
ほう。“貴方の”あなたさんなんですか?
シグマ
シグマ
あ…っ!ち、違う!違うんだ!
あなたを守るためについ口走って…っ


ニコライ・G
ニコライ・G
へぇ〜、シグマ君って3歳の割には積極的なんだね☆
どこでそんなテクニック知ったの?
シグマ
シグマ
う…うるさいなぁ、っ!
ニコライ・G
ニコライ・G
まあ、あなたちゃんは君のものじゃなくて僕のものなんだけど!
(なまえ)
あなた
はぁ…っ…!?
フョードル・D
フョードル・D
あなたさんは誰のものでもありません。
まだぼくと付き合ってないのでね。
シグマ
シグマ
フョードル…お前やっぱり…!?
フョードル・D
フョードル・D
ふふ。
さぁどうでしょうか。
(なまえ)
あなた
…?
ニコライ・G
ニコライ・G
あなたちゃんはやっぱり鈍いね。
自分のことにも、他人のことにも。
(なまえ)
あなた
え、ど、どういうこと…?
ニコライ・G
ニコライ・G
まあいいさ。
いつか分かるだろうから。




























ニコライ・G
ニコライ・G
なんで、気づかないんだい…?









(なまえ)
あなた
コーリャ、どうしたの…?


あなたが学校から帰ろうとしたときだった。
ニコライがあなたのことを待っていたようだ。

ニコライ・G
ニコライ・G
………
(なまえ)
あなた
わぁっ、ねぇ、どうしたの…?

ニコライはあなたの腕をぐいっと引っ張って校門を出ていく。
(なまえ)
あなた
ねぇ!なんで何も言ってくれないの?
私に何か用があるの?
ニコライ・G
ニコライ・G
教えてよ…
(なまえ)
あなた
え…え?









あなたが驚いて尋ねると、ニコライは右目に着けていたトランプの仮面を外した。












今にも真実を語り出しそうな翠色みどりいろの瞳が、あなたの姿を確かに捉えた。

















ニコライ・G
ニコライ・G
本当はフョードル君のことも、シグマ君のことも、気になっているんだろう?
(なまえ)
あなた
え…?ねぇコーリャ、何言ってるの?
ニコライ・G
ニコライ・G
だけど…君は、自分の気持ちに気づいていないね。
(なまえ)
あなた
自分の…気持ち…?
ニコライ・G
ニコライ・G
僕は君に好きだと伝えた。でも君は誰にも好きだと伝えていない。
ニコライ・G
ニコライ・G
あなたちゃん、君は誰が好きなんだい?







この中の誰が好きかなんて───────
決められるわけがなかった。
3人は自分にとって初めてできた大切な友達だから。
誰かを選べなんて────できない。
(なまえ)
あなた
────決められない。
ニコライ・G
ニコライ・G
なんだい?
(なまえ)
あなた
決められないよ。
フェージャもコーリャもシグマ君も、初めてできた私の大切な友達だもん。


ニコライ・G
ニコライ・G
“大切な友達”か。
そうか、分かったよ。無理な選択を迫らせてごめんね。
(なまえ)
あなた
ううん。気にしないで。











(なまえ)
あなた
多分、いつか分かると思うから──














ニコライは笑顔だったが、今まで見たことのないほど寂しそうな表情だった。















右目を覆っていたトランプの仮面は外れているけれど、笑顔の仮面は貼りついたままだった。










その頃、フョードルとシグマは、その様子を後ろからこっそり尾行していた。






フョードル・D
フョードル・D
全く、ニコライ君は何を考えているんでしょうか。あなたさんの好きな人はぼく一択で間違いないです。
ぼくが彼女の初接吻ファーストキスを奪ったときの、あの幸せに満ちた可愛らしい顔が忘れられませんね。



シグマ
シグマ
は…?
フョードル、今なんて言った…?
お前、あなたに何したんだ…?















フョードル・D
フョードル・D
あぁ、ぼくとしたことが。うっかり口を滑らせてしまいました。
まあいいでしょう。シグマさんには教えてあげます。
フョードル・D
フョードル・D
ニコライ君には内緒ですよ?
シグマ
シグマ
あ、ああ。












フョードル・D
フョードル・D
ぼくはあなたさんのことを世界の誰よりも愛しています。
だけど、あなたさんはぼくだけ・・を愛しているわけではない。
その現実に不満を持っているんです。
シグマ
シグマ
はぁ…?即ちお前は、あなたを自分だけのものにしたいと言いたいのか?
フョードル・D
フョードル・D
その通りです。
だからあなたさんをとすために、彼女の初接吻ファーストキスを奪ったんです。
これが何か間違っていますか?好きな人には素直に愛を伝えた方が良いとぼくは思うのですが。


シグマ
シグマ
そんなの…黙ってられない…
フョードル・D
フョードル・D
何か言いましたか?シグマさん。
シグマ
シグマ
それなら私だって!あなたに振り向いてもらえるように努力してやる…っ!
フョードル・D
フョードル・D
いいですね。
どちらがあなたさんを振り向かせられるか。楽しい勝負になりそうです。






(なまえ)
あなた
自分の気持ちに気づいていない…。
コーリャの言う通りかも。
私は“ ”のことが─────。













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