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第4話

【3話】俺は
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2024/04/27 22:49



ci視点













 



ut
お前はどうなんよ


少し揺らせばカランッと氷の心地よい音を出す、冷たいアイスコーヒーを一口飲んだ大先生が急に俺に振る


ut
俺等を収集した幹事くんが何も吐き出さんて…もうとっくに綺麗な姿は泥沼状態なんやから言いたいことあんならさっさと言えよ
はは…、
偽って笑ってる姿が綺麗に見えてたんか、この人には


とは言え話しやすい空間を設けてもらったのはありがたい
ci
相談…て言うんですかね‥‥
そこから俺は少しずつ話し始めた


ぽつりぽつりと、本当に少しずつ
大先生とロボロさんは体をやや前のめりにしながら話を聞いてくれた
 











ci
俺、大先生達と同じように義理の双子の兄がおるやないですか…
rb
あぁ、ショッピくんね
ut
なんや?ショッピがついにロリに手出してまったんか?
ci
ちゃいますわ…w
こんなふうに、少しジョークも挟みつつ



ci
お二人共自分の兄がきら…心の何処かでは好きみたいですけど、俺はそんなんやなくて
ci
本当に、心の底“から”ショッピが…好きなんかもしれないんす
rb
…え、ま?
ci
大先生やロボロさんはほんまにいやって時が多いんかもしれませんが、俺はそんなに今の生活に不満はなくて、
ci
それどころか毎日愛を囁いてくれるショッピに若干溺れかけてて…もう兄弟やけど恋人になってもええかな?って思ってて…そんな自分が気持ち悪くて仕方ないように思えて…
ci
ショッピへの想いが「好き」なのかもわからん…
そんな曖昧な自分が嫌で仕方ないんや……
ut
…複雑なんやな



気づけば俺は自分の気持ちを全部吐き出していた


ci
ショッピ…あいつのことは嫌いや……
いつも俺の状況や気持ちを考えずに自分の好きなことを自分勝手に俺に押し付けて、「ロリや〜!」言うて小さい子にすぐ近づこうとする迷惑もんで、俺が異性の友達作ったって言ったらすぐ縁切らせようとするし、ホントにホントに気まぐれすぎて疲れてまうし…
大っ嫌いや
ci
でも…好き……なのかもしれへん……
たまにすごい優しくなってくれる時がある
俺のことを誰よりも大切に思ってくれてる
細かいとこまで気づいて気遣ってくれる
こんな俺のことを好きでいてくれてる
抱きしめてくれる
愛を教えてくれる…










ci
わからんよぉ……
ci
あいつの気持ちも…俺の気持ちも…
ci
苦しい…わからんくて……頭ごっちゃになって…気持ち悪い…苦しい……


目頭が随分と熱い
視界もぼやけ始めている



























最後まで、話を聞いてくれた二人はしばらく黙っていた
 



ut
……
rb




誰も何も話さない

きっと、この二人も、自身に重なる部分を思い返しているのだろう
 






机の真ん中にあるマリーゴールドが静かに俺達を見ている







 



























rb
チーノ、俺細かいことはよくわからへん
 

そんな中、一番に口を開いたのはロボロさん
rb
お前が辛い思いしてるのはわかった
俺自身も似たような思い抱えとるけど、お前の痛みはお前にしかわからへん
rb
やから、俺には100%全部が共感出来るわけやあらへん
ci
ロボロさんは俺の全部を知った気になったりするような人ではない



『自分には他人の痛み全てがわかるわけがない』

そう考えているからか余計なところにまで踏み込んでこない










その考えが心地よくて…少し心が軽くなった気がする













rb
なぁチーノ


ロボロさんはまだ湯気のたつエスプレッソに瞳を映しながら再び俺に声をかけた
















rb
とりまゲーセンにでも行こや















































突然そんなことを言われれば誰だって驚く
 
ci
…は?
ut
ええやん行こ
そんな俺を気にせずに大先生は俺の右手を掴んだ








ひとたび瞬きすれば俺は雲一つない青い空の下に出ていた













































rb
おいお前ら金払えや!!!!!





ロボロさんの怒鳴り声が背中に響いていく感覚を残しながら



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