あの日から五日後の昼過ぎ
遊ぶ約束も家の用事もない私はリュックに荷物を
詰め込み自転車に乗り、また廃病院へとやってきた
もちろん私一人だけで
中に入りあの病室へと足を進める
病室には誰もいなかった
明るい時間帯だからいないのか……
それとも…
あれは幻だったか、私自身が作り出したものだったのかな………。
びっくりした私は声のした方を反射的に向く
そこにはあの時に見た彼が病室の入口に立っていた
本当にいた…
何かを言い出して彼は黙った
彼は言いずらそうにしながらも口を開いた
何でって…
そう即答すると彼はゆっくりと自分の話をし始めた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。