第4話

生きる意味と見つからない夢。
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2022/04/10 13:11
あの日から五日後の昼過ぎ

遊ぶ約束も家の用事もない私はリュックに荷物を
詰め込み自転車に乗り、また廃病院へとやってきた


もちろん私一人だけで


中に入りあの病室へと足を進める


病室には誰もいなかった



明るい時間帯だからいないのか……


それとも…




あれは幻だったか、私自身が作り出したものだったのかな………。







???
???
あれ?思ったより早くに来たんだね

びっくりした私は声のした方を反射的に向く

そこにはあの時に見た彼が病室の入口に立っていた




本当にいた…
川上 由紀
川上 由紀
あの……この前、聞いた答えを聞きたくて
???
???
君は……





何かを言い出して彼は黙った






川上 由紀
川上 由紀
何?



彼は言いずらそうにしながらも口を開いた



???
???
君は、なんでそんなことを聞くの?
何でって…
川上 由紀
川上 由紀
私…自分が今幸せなのか、なんでこんなにも毎日がつまらないのか分からない。
もうずっと前から、死にすら興味を持ってるの。
自分でもなんでこんな気持ちになってるのか
なんで心が満たされないのか分からない
???
???
やりたいこととか夢はないの?
川上 由紀
川上 由紀
そんなのないよ。
夢も希望も叶えたいことも何一つない








そう即答すると彼はゆっくりと自分の話をし始めた

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