何をしよう。
よく分からないまま連れてこられて、部屋に入れられて。
何をしていいのか分からず、しばし考える。
目の前のキラキラしている部屋は私には似合わなくて、なんだかソワソワして落ち着かない。
家具や壁は白で統一されており、所々に淡い水色でデザインが施されているものもある。
可愛いのだけど、いつか汚す気しかしなくて少し怖い。
天井にはおそらくガラスで作られたシャンデリア。見るからに高そう。
憧れていたものがいざ目の前にポンと現れると、案外冷静になってしまう。ちょっとした緊張や嬉しさもあるけれど、目を光らせて堪能するほどのものではない。
どちらかというと、やっぱり私がこんな部屋使っていいのかなぁという不安が勝つ。
……とは言っても、実際与えられてしまったのだし。断ることも逃げることもできないので、有難く使わせていただく。
とりあえず、持ってきた荷物を何とかしよう。
荷物と言っても、多少の衣類ぐらいしかないが。
物に無頓着、というわけではないが、一度嗜んだものはもういいやと思ってしまう質なので、大概の私物はすぐに捨ててしまうのだ。
あと、いざという時すぐに逃げられるようにするため。
まあ、結果逃げられてないのだけれど……。
どちらにせよ荷物が少なく、手で持てる範囲しかなくて助かった。そりゃあ、引越し業者を使うなんてわけにはいかないし。
他の必要なものは後で買い出しにいけばいいだろうと思っていたのだけれど、そこは計画が狂った。
まあ、なんとかなるか。最悪ゴーゴリに頼もう。
ドストエフスキーに頼むは怖いし、シグマさんに頼むのは申し訳ないから。
私は衣服を取り出し、クローゼットの方へ歩いていく。
クローゼットが異様に大きい。こんなにいらない。
これも一体いくらしたのだろうと思いながら開けて、衣服をかけていく。
まっさらで、備え付けのハンガー以外は何もないクローゼット。きっと煌びやかなブランド物の服がたくさんかけられることを想定されて作られたのだろう。
少しだけ申し訳なく思いながらクローゼットを閉めた。
……さて、本当に手持ち無沙汰になってしまった。
どうしよう。というか、部屋から出たら駄目なのかな。
さっき場所を教えられたから、お手洗いに行くために出るのは多分大丈夫なんだろうけど。
どこからどこまでがセーフなのか、よく分からないでいる。
まあ、とりあえずは部屋に慣れることに専念しよう。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
少しずつ閲覧やお気に入りが増えていて嬉しいです、ありがとうございます!
(そしてなんの面白みもない回でごめんなさい、多分次シグマくんが出てきます🍪)
更新がんばり…ます…💪🏻💪🏻












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。