第7話

普通の生活
62
2018/05/23 08:30
私たち3人は、無事に家に帰ることが出来た。

私と詠太は同じ家に住んでいる。
奏くんは、途中で道を別れて、しっかりと帰っていった。

私と詠太は、家へと帰り、リビングへ行く。
もうここからは、私たち二人の時間。
安心できる時間。

親は…どちらともいない。

母は病死。父は事故死。

別に、離婚とかそういうんじゃない。

あとは任せたよ とでも言うかのように、私が残された。

だから、詠太の事はちゃんと守るんだ。
詠太
詠太
姉ちゃん、今日のご飯_
星華
星華
私が作るからいいよ
詠太
詠太
え、けど…
星華
星華
いいの、ほら…
詠太は休んでて!
詠太
詠太
……ありがと
ご飯は交代制で作っている。
昨日は私が作った。
そして今日は詠太の番。
けど今日は…色々詠太に救われたから私が作る。

色々救われた。こんなこと言っても、詠太は全て否定するだろうから、言わないでおこう。
詠太
詠太
姉ちゃん。
星華
星華
んー?
野菜を切る手を止めずに、ただ返事をする。
詠太
詠太
さっき、詠太だけが友達みたいな言い方したけど、ちゃんと友達いるよ。
星華
星華
え…誰!?
その言葉をきいて、野菜を切る手を止め包丁をガタッと置く。
その声と音に驚き詠太は少し肩を揺らす。

すると詠太は口を開いた。
詠太
詠太
女の子…だよ。
星華
星華
へぇ…?女の子……

女の子!?!?
唯一1人の女の子友達!?
もしかして…好きな子?
星華
星華
その子のこと…好きなの?
詠太
詠太
え、ち…違うよ!!
星華
星華
ええ…な~んだ…
詠太
詠太
そんなガッカリしなくても…
けど、驚いたな…
女の子友達ができるなんて。
どんな子なんだろ?

穏やかな子かな?
意外と…明るい子だったり。

……そういえば杏果ちゃん元気かな。
小学校ちゃんと通えてるかな…
詠太
詠太
今度、紹介する。
星華
星華
ほんと!?
楽しみにしてるね…!
なんだか…すっごく楽しみ。
どんな子なんだろ…考えるだけでワクワクする。

そんな事を思ってるうちに。
どんな子なのか考えてるうちに…晩御飯が出来上がった。

出来上がった晩御飯をテーブルへと運び、箸と水も置く。

そうして、私と詠太は向かい合って椅子に座る。
詠太
詠太
いただきます。
星華
星華
いただきます。
私たちは手を合わせて箸を取り、食べ物を口へと運ぶ。

こんな風に…普通の生活ができるのか家だけだ。
もし普通の生活が学校でもできたら…どれだけ幸せなのか。

そんな事考えてたら、料理が不味くなってしまう。
家にいる時は…その事について考えるのはやめよう。

詠太といる時間を大切にしていこう。

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