薬を受け取って外に出ると
蓮が私の手を握って歩き出した
しばらく黙って歩くといきなり止まった
「ここ、」
蓮「こっち」
着いたのは前住んでた家
ここの事はずっとほくに頼んでたから
今はどうなってるのかわからない
そこになぜか蓮が入っていく
前の部屋番号の部屋に入ると
前とは少し雰囲気が変わった部屋になっていた
蓮「そこ座って」
前ソファーがあった位置とは少し違う場所に座る
蓮はどこかへ行って
ドタバタと音を立てながら帰ってきた
蓮「はい」
部屋の鍵をわたされる
そして蓮の手にも鍵
蓮「ここで2人で暮らさない?」
と蓮が言う
蓮「まだ一緒に住むだけだけど、でも、いつかは目黒になって欲しいし」
「ちょっと待って、最近まで怒ってたよね?なんでいきなり」
蓮「え?俺怒ってた?」
きょとんとする蓮
あれ?怒ってなかったっけこの人
「何日口聞いてないと思ってるの」
ちょっと怒ったふりをして聞くと
蓮は顔を覆って
蓮「ごめん、無意識だった」
と言った
私はホッとした
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。