第21話

20.Epilogue
593
2023/07/14 07:00
翌日



ボクの家にメンバーが集まった


前に進む為に、しょーちゃんを知るために


たとえそれが遅過ぎたとしても
H.
H.
じゃ、話そうか
I.
I.
...その前に1つ聞きたいんやけど
I.
I.
ほとけは大丈夫なん?...メンバーの...それも相方の死を目の前で見た...その時のことを話せるん?
H.
H.
...大丈夫。しょーちゃんのせいで生きるって決めたから

そう言うと、みんなは不思議そうな顔をした


それもそうだとは思う


ボクもなんでこんなに何も感じずにいられてるのかが不思議なくらいだから
N.
N.
...じゃあ、お願い
L.
L.
コクッ
Y.
Y.
あぁ
ないちゃんがそう言うと、りうちゃんとアニキが頷いた
あの日...9月1日。


なんで9月1日だったかは...「1年で1番自殺者が多い日に紛れて死にたい」ってことじゃないかな。


屋上で見た時のしょーちゃんの顔は笑ってた。


でも笑ってなかった。


...簡単に言うとボクと同じだったんだ。


ずっと作り笑顔だった。


多分ボクよりずっと長い時間、辛い思いをしてたんだと思う。


生きたくなくなるくらいには...しょーちゃんは壊れちゃってたんだよ。
S.
S.
「もう無理なんよ」
S.
S.
「もう笑ってるのに疲れた」
S.
S.
「ずっと本音を隠して生きてきた」
S.
S.
「いむくんがみんなとホントウの笑顔で笑ってる時もボクは笑顔を作ったまま」

そんな感じのことを言ってくれた。


だからボクも...いふくんが言ってくれて嬉しかったこと...


笑わなくていいって言ったんだ。


でもそしたらこう言われちゃった...w
S.
S.
「出来ない。ずっと笑顔でいるうちに作り笑顔を外せなくなった」
S.
S.
「涙も出なくなった」
S.
S.
「もう生きたくない」

...って


その後涙出てたんだけどね...


無理だったみたい
S.
S.
「みんなに"ごめん"、"よろしく"って言っといって」

それでさいごに呪いかけて逝ったんだ
S.
S.
「自分勝手だけど"いむくんは生きて"」

生きてって呪いを


多分ボクだけに言ったんじゃなくてみんなに向けた言葉呪いだと思う




で、しょーちゃんはさいごまで笑顔のまま死んでいったよ.....


これで終わり.....
H.
H.
...どう?少しは前に進めるかな?
N.
N.
初兎ちゃんがそんなこと思ってたなんて...リーダーとしてもっとちゃんと見てれば.....ッ
L.
L.
初兎ちゃんも作り笑顔だった...そんなに無理してッ...
I.
I.
ほとけだけを気にして...他なんも気にしてやれんかった
Y.
Y.
...相方なんに...まろみたいに気づいてやれんかった...初兎が辛い思いしとったなんて
H.
H.
...みんなそんなに責めないで
H.
H.
しょーちゃんきっと望んでないよ?
L.
L.
ほとけっちはなんでそんなに平気そうなの?
H.
H.
平気なんかじゃない...でも生きてって言われちゃったから
H.
H.
ずっと沈んでるわけにはいかないでしょ?
Y.
Y.
そうやな...俺、帰るわ。気持ち整理してくる
N.
N.
...おれもそうしよっかな
L.
L.
...りうらも。前向かなきゃね
H.
H.
うん、じゃあまたね!

みんなが出ていき、ボクといふくんだけが残った
H.
H.
...いふくんはどうする?
I.
I.
...俺も帰ろかな
I.
I.
帰る前にほとけ..."無理して笑うなよ"
H.
H.
.....うん!わかってるって
I.
I.
.....嘘つくなや...じゃあな

いふくんも家を出ていった
H.
H.
大丈夫だよ
H.
H.
ボク笑ってない。作り笑顔してないから

誰もいない部屋で呟いた


しょーちゃんのことにもっと早く気づけてればと思ったら心が痛んだのか、涙が流れた
H.
H.
...ボク生きるから...ね

家の鏡にボクの顔が映った





笑顔のボク...





完璧な道化師ピエロ笑顔仮面
H.
H.
ニコッ

もしかしたらボクはしょーちゃんみたいになったのかな...なんて思った










道化師ピエロ笑顔仮面は壊れない」





「ホントウの道化師ピエロ笑顔仮面は壊れない」









__________END.

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