翌日
ボクの家にメンバーが集まった
前に進む為に、しょーちゃんを知るために
たとえそれが遅過ぎたとしても
そう言うと、みんなは不思議そうな顔をした
それもそうだとは思う
ボクもなんでこんなに何も感じずにいられてるのかが不思議なくらいだから
ないちゃんがそう言うと、りうちゃんとアニキが頷いた
あの日...9月1日。
なんで9月1日だったかは...「1年で1番自殺者が多い日に紛れて死にたい」ってことじゃないかな。
屋上で見た時のしょーちゃんの顔は笑ってた。
でも笑ってなかった。
...簡単に言うとボクと同じだったんだ。
ずっと作り笑顔だった。
多分ボクよりずっと長い時間、辛い思いをしてたんだと思う。
生きたくなくなるくらいには...しょーちゃんは壊れちゃってたんだよ。
そんな感じのことを言ってくれた。
だからボクも...いふくんが言ってくれて嬉しかったこと...
笑わなくていいって言ったんだ。
でもそしたらこう言われちゃった...w。
...って
その後涙出てたんだけどね...
無理だったみたい
それでさいごに呪いかけて逝ったんだ
生きてって呪いを
多分ボクだけに言ったんじゃなくてみんなに向けた言葉だと思う
で、しょーちゃんはさいごまで笑顔のまま死んでいったよ.....
これで終わり.....
みんなが出ていき、ボクといふくんだけが残った
いふくんも家を出ていった
誰もいない部屋で呟いた
しょーちゃんのことにもっと早く気づけてればと思ったら心が痛んだのか、涙が流れた
家の鏡にボクの顔が映った
笑顔のボク...
完璧な道化師の笑顔が
もしかしたらボクはしょーちゃんみたいになったのかな...なんて思った
「道化師の笑顔は壊れない」
「ホントウの道化師の笑顔は壊れない」
__________END.
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。