いわもとside
運動会も無事終わり。
ふっかさんがアイドル好きだと言うことも知り。
佐久間とはもっと仲良くなった
俺はやっとちゃんとした学校生活というものを掴めたんだ
────気づけば運動会から、1年と半分が経とうとしていた
「ね、知ってる?」
髪が伸びた佐久間がこっちを向いていつものように聞いてくる
「何?」
「おれっちの聞いた噂だと、辰哉くん留年するらしーよ」
「…え?」
留年、留年、り、、留年?、
「え、留年ってあの、」
「だーかーらー!来年は3年生一緒にやるってこと!」
ドヤ顔しながら言う佐久間に少しイラつきつつ、ふっかさんの情報を聞いた。
でもなんで留年…?
俺の思ったことを読み取ったのか、佐久間が続けた。
「いわもっさんも知ってるっしょ、辰哉くんの母さん病気だから、辰哉くんがいつも面倒見てるって」
そう言われて、記憶を辿る
確かにふっかさん言ってたな、
『ふっかさん、って大学どこに行くんですか、?』
『いやあわら。俺ん家母さんの体弱いからな〜…大学行かずに看護的なのをするんだろうな、わら』
『え、あ……すんませ』
『謝んなって!どうせ俺したいこともねーし。看護も意外と楽しかったり、な!』
笑顔なのに、。
そう言ったふっかさんの目は、見た事ないくらい暗かった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。