今度こそ。彼氏を探してやる。好きになるならない関係ない。とにかく、彼氏が欲しい。今まで玉砕ばかりだった分、今度こそ、という思いが強めだ。
新学期、新しいクラスメイトが教室に溢れかえっている。その分、初めて話す男も多い。
高校二年生になっても私は「この人だ!」という彼を見つけることはできなかった。そのため、彼氏いない歴=年齢だ。夜、そんな悩みを年の離れた姉に相談した。友達にも両親にも相談しづらいので、怒られることを承知で相談する。なんてったって姉は…。
「お姉ちゃん、私まだ彼氏見つからない」
「何言ってるの。それを私に言わないで。私もう26になるけどいないんだから」
「私のこと言ってるんだって、やっぱりほしいよ彼氏」
「焦らなくてもいいじゃない」
「甘酸っぱい青春、お姉ちゃんの分まで味わいたいし。来年から受験生だし、今年がラストチャンスなんだよ」
「あんたねえ!どこまで私の傷をえぐるつもり?そんなだからできないの彼氏!人のことより自分のことを見なさいよ!」
「ちぇっ。わかったよ」
私は姉の部屋を出て、自分の部屋に入った。いい男、いないかな…とばかり考えていて宿題の存在を忘れ、そのまま寝てしまった。
翌朝、学校に行ってから宿題を友人に写させてもらった。新学期初日に宿題を出す先生が悪いが、忘れて寝た私も悪い。何とか提出し、ほっと一息つく。
そこに始業のチャイムギリギリでやってきた生徒は、何かキラキラと輝くオーラを持っていた。イケメンの部類に入るようなはっきりとした顔立ち。立ち振舞いがしっかりしているようにみえる。名前はわからないがクラスメイトにこんな男がいたのかと、思わずため息をついてしまった。
あの人なら、悪くないかもしれない。…と思うも、先生がやってきて授業が始まってしまった。
***
授業中にその人は当てられていて、名前が穂島くんということが分かった。その穂島という名前だけしっかり覚え、相談できる姉にまた話をする。
「よさそうな人、見つけた。穂島っていう人」
「あっそ。よかったね。一目惚れってやつか」
「私は好きとか関係なくてただ彼氏が欲しいだけだって。とにかくいい男が欲しい」
「それじゃあその穂島くん?に話せばいいじゃない。好きじゃないけど付き合ってって」
「それ大丈夫なの?」
「ま、なんとかなるかな」
私は翌日の学校で、またギリギリでやってきた穂島くんに休み時間を狙って話しに行った。
「ええと、穂島くん、だっけ。よかったら、私と付き合わない?あ、好きとか関係なくて」
「何突然。えっと確か…≪中村雄悟くん≫、だったよね。え、何かの罰ゲーム?新年度そうそうに?大変だね」
それを言われて、何も言えなかった。やはり作るなら彼女なのだろうか。
「頑張って雄悟」
私の…僕の恋は、恋に落ちる前に終わってしまった。彼女に飽きたから、彼氏を探していたのに。また、一から探しなおし。 ちぇっ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。