すると、後ろの方から
グス…グス
誰かの泣き声が聞こえる。それも複数の
まさかと思い恐る恐る振り向くと…
主様を初めとした、ステラが亡くなった後に屋敷に来た者たちが静かに涙をこぼしていたり、あるいは泣き声をあげ、泣いたりしていた
あまりの泣きっぷりに思わず声をかけるが…
とんでもない勢いで食い気味に返されてしまった…
あまりの展開に感情が追いつかない中、ベリアンさんが手を叩き、事態の鎮火を図る
ハナマルさんも見かねて主様にハンカチを差し出す
それを主様は礼を言いながら受け取り、涙を拭いていた
数分後、ようやく全員が落ち着いた所で主様が話を切り出す
主様がそう呟いた所に悪い顔をしたボスキが口を開く
なにか嫌な予感しかしないが…
その時、空から何かが降って来て地面を揺らした
ドォォォォォォォォォォォォン!!!
突然の出来事に執事たちがすぐさま警戒態勢に入る
辺りは衝撃で土煙が舞う中、それが徐々に落ち着いていく
中から現れたのは…
憎き、天使…知能天使のセラフィムとケルビムだった
怒鳴ると、セラフィムは軽い表情で手を挙げながら話す
そう言いながら指さしたのは…
ステラの墓だった
最悪の予感が頭をよぎる中、その予感は……無慈悲にも的中した
意味ありげに言葉が紡がれ、やつの目が細められると同時に懐かしい……鎖の音が聞こえた
シャララララ
ドーン
俺たちが先程まで居た場所には…大きなクレーターが出来上がっていた
こんなこと……できるのはあいつしかいない
そうして、姿を表したのは……
微笑みながら、縄鏢を構える
ステラの姿だった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。