第16話

怖い15
1,973
2022/02/05 06:52
あなたside

ジョナサンさんが大学に行ったので、独りになってしまった。一体どうしようか。学校にも行っていないから、やることが何もない。



あんまり人の家の中をウロウロするのも失礼だし……荷物の整理でもしようかな?



階段を上ろうとしたその時だった。チャイムが鳴った。明らかにここへの訪問者だった。だ、誰だろう…?



少し怖いと思いながらも、慎重にドアを開けた。そこにいたのは……何やら見慣れない服に身を包んだ男の人だった。ますます誰か分からない。
配達員
こんにちは~、宅急便です
神月·ベレル·(なまえ)
神月·ベレル·あなた
え、た、タッキュービン?
配達員
ジョルノさんのお家で間違いないでしょうか?
神月·ベレル·(なまえ)
神月·ベレル·あなた
あ、は、は、はい…。
サインを書いておいて、その場はなんとかやり過ごした。び、ビックリした…と言うかタッキュービンって何だろう…?お届け物のことかな?



聞いたことの無い日本語を前に色々推測を巡らせたが、ハッキリとは分からずあやふやになってしまったので、部屋にあるスマホを手に取った。



すぐに翻訳アプリを開いて日本語入力欄に「タッキュービン」と入力すると……
神月·ベレル·(なまえ)
神月·ベレル·あなた
あ、διανομή宅急便か…!なるほど…。
早速新たな日本語を学べて嬉しく思った。それでもギリシャ語や英語とは違うからちょっと難しいな…。



……にしても、流石に暇だなぁ…。ふと窓の外を見ると、良い天気だ。綺麗な青空で、空気も暖かそうだ。



折角だから……少しだけ散歩しようかな?ちょっとこのお家の周辺を一周するだけ。流石にそこで迷子になることは無いと思うし…。



ジョナサンさんが大学に行く前にくれた合鍵を持って早速外に出た。知らないところだから怖いけど、来週には学校に行くんだし、慣れておかないと…! 



合鍵で鍵をきっちり閉めたことを確認してから、外の景色を見回した。ここは静かな住宅街であるようだ。
神月·ベレル·(なまえ)
神月·ベレル·あなた
Ποιο δρόμο να πάω;どっちに行こうかな…?
そう呟いて、なんとなく右に進むことにした。ここから一周して帰ることにしよう。そう思って右に体を向けた時だった。
おい
神月·ベレル·(なまえ)
神月·ベレル·あなた
!!??
急に誰かに後ろから呼び止められた私はビックリしてその場から動けなかった。振り返ることすら出来なかった。



私がおそるおそる後ろを向くとそこには……ジョナサンさんと同じくらい背の高い金髪の男性が立っていた。
神月·ベレル·(なまえ)
神月·ベレル·あなた
だ、ど、どちら様です、か?

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