第9話

8話
592
2021/12/06 16:51 更新



私が先生と出会ったのは、もう何年も前だった。
あなた
……



倒壊した建物、その隅に一人座ってただ絶望していた。



ヒーローなんか大嫌いだ。



ヒーローは所詮名前だけのニセモノだ。
あなた
もう……やだ



誰か……助けて……。



ヴィランの手により、子を無くす親は決して少なくはない。



逆もまた然り。
あなた
ヒーローなんか……
あなた
ヒーローなんか……大っ嫌い







そんなとき、助けてくれたのが先生だった。



私の望む世界と先生の望む世界はとても似ていた。
先生
あなたは、好きなヒーローはいるかい?



いつもいつも、優しかった。
あなた
……いない
あなた
前はいた気がするけど、もう忘れた
先生
そうか
先生
じゃあ、憧れの人とか……
あなた
先生!
あなた
先生が私にとっての"本物"の正義の味方!
先生
……
先生
ありがとう



先生は、嬉しそうな顔はせず、落ち着いた声色で淡々と話す。












多分今思えば、あの時好きなヒーローや先生以外の憧れの人を言っていたら



その人の悪事が世に出たり、私から見てその人が最低な人に見えるよう仕組もうとしてたんじゃないかと思う。






でも、私にそんな必要はなかったから。



この世の中に既に絶望していたから。

ヒーローが嫌いだったから。




幼いながらに、その絶望を知ったせいか、ずっと同じ思考をしている。
先生
そういえば、あなたの個性は?
あなた
……私の個性は__



先生と一緒にいて、ひとつ後ろめたいことがあった。



"私は、強い個性を持っていない"






先生がガッカリしてしまうのではと、少し言うのを躊躇った。
先生
中々いい個性だ
あなた
あなた
ほんと、ですか?



私の個性は、私一人では完成しない個性だったから。



自分だけでは、何も出来なかった。
先生
その個性を自分に使うこともできるはずだ
あなた
個性を……自分に……?
先生
そうだな……
先生
おそらく、身体強化あたりになるはず……



今の私の戦闘スタイルは、先生あってのもの。


























"私は、先生の望む世界のために、先生が望む全てをする"
あなた
それが私の、存在意義だから……

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