それから入学まで、ただただ準備を進めていた。
無表情では違和感がある。
表情筋を気分関係なく扱えないといけない
表情を、常に周りに合わせないといけない。
毎日毎日、笑顔を作る練習をした。
入学の前日に、電話で弔くんから告げられた。
私の他にも、"そういう人"がいるのだろうか。
……まあ
居たとしても、協力する気はないけど。
そう思いながら、鏡を見て、笑顔を作る。
声も明るく抑揚をつけられるようにした。
今日は待ちに待った、『入学式』である。
制服に着替え、荷物を持つ。
お母さんは、いつもと同じ表情で、手を降っている。
……私は、いつまでこうしていられるんだろうか。
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私は今、雄英の【1年A組】の教室の前にいる。
お金かけてんなぁ……と思いつつ、扉に手をかける。
流石にここで笑顔で挨拶する気なんざおきない。
教室を見回すと、見覚えのある人が2人目に入った。
切島くんに……芦戸さんだっけ?
芦戸さんは私に気づくと笑顔で手を振ってくれた。
ここは返すべき……かな。
笑顔を作って、芦戸さんに手を振り返した。
その後は指定されていた席に着いたが、どうやら隣の席の人は芦戸さんらしい。
我ながらいい演技だと思う。
なるほど。芦戸さんは名字で呼ぶタイプの人か。
……名字といえば、
切島くんは、私のこと下の名前で呼んでたな……。
あ、下の名前しか言わなかったから名字と勘違いしたのかな?
……まあ呼び方とか気にしないしいいけどね。
先生達以外に下の名前呼ばれたくないとか一切ないし。
ダンッ
……入学早々揉め事ですか。
ヒーローの卵ってこんなもんなのかな?












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。