第10話

9話
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2021/12/18 14:50 更新



それから入学まで、ただただ準備を進めていた。



無表情では違和感がある。




表情筋を気分関係なく扱えないといけない

表情を、常に周りに合わせないといけない。



毎日毎日、笑顔を作る練習をした。
弔くん
『そうだ、伝言預かってるんだ』
弔くん
『あなたは変に散策しなくてもいい。代わりにやってくれる奴がいる』
弔くん
『だって』



入学の前日に、電話で弔くんから告げられた。






私の他にも、"そういう人"がいるのだろうか。



……まあ


居たとしても、協力する気はないけど。






そう思いながら、鏡を見て、笑顔を作る。
あなた
うん!これならきっとバレないよね!



声も明るく抑揚をつけられるようにした。



今日は待ちに待った、『入学式』である。



制服に着替え、荷物を持つ。
あなた
……お母さん、行ってきます
お母さん
行ってらっしゃい!



お母さんは、いつもと同じ表情で、手を降っている。



……私は、いつまでこうしていられるんだろうか。



___



____
あなた
……扉大きい



私は今、雄英の【1年A組】の教室の前にいる。



お金かけてんなぁ……と思いつつ、扉に手をかける。
あなた
……



流石にここで笑顔で挨拶する気なんざおきない。



教室を見回すと、見覚えのある人が2人目に入った。
切島鋭児郎
ん?
芦戸三奈
あ!



切島くんに……芦戸さんだっけ?



芦戸さんは私に気づくと笑顔で手を振ってくれた。
あなた
……




ここは返すべき……かな。



笑顔を作って、芦戸さんに手を振り返した。



その後は指定されていた席に着いたが、どうやら隣の席の人は芦戸さんらしい。
芦戸三奈
おぉ!まさかのお隣さんだあ!
あなた
よろしくお願いします!
芦戸三奈
タメでいいよ~!
あなた
じゃあお言葉に甘えて……
あなた
よろしくね!



我ながらいい演技だと思う。
芦戸三奈
うん!よろしく!
芦戸三奈
あ、そだ
芦戸三奈
前名前聞けなかったから、聞いてもいい?
あなた
うん!
あなた
私はあなたの名字 あなた!
芦戸三奈
あなたの名字ね!
芦戸三奈
把握!



なるほど。芦戸さんは名字で呼ぶタイプの人か。



……名字といえば、

切島くんは、私のこと下の名前で呼んでたな……。



あ、下の名前しか言わなかったから名字と勘違いしたのかな?



……まあ呼び方とか気にしないしいいけどね。


先生達以外に下の名前呼ばれたくないとか一切ないし。



ダンッ
机に足を掛けるな!
あ"ぁ"?
雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか!



……入学早々揉め事ですか。



ヒーローの卵ってこんなもんなのかな?

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