第23話

石山くんの告白
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2021/04/12 04:00 更新
手を止めて、目の前を見る。
石山
石山
ずっとつまんなそうなツラしてた奴が、ある日から明るくなった。
放課後になるとソッコーで帰るし、よっぽど大事な用でもあんのかと思った
石山
石山
それが男のせいだって知って、なんかムカついた
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(今、何を言われているの?)
石山
石山
俺の方が、お前のこと長く見てたのに
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(私の……話?)
どうして突然構ってくるようになったのかと思ったけれど。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
そんな、どうして? 私たち、今まで話したことなんて……
石山
石山
話したことない奴は、好きになんないのかよ
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
え、えっと……
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(嘘、……本当に? 石山くんが、私のことなんて)
石山
石山
いつまでも、男のこと考えて暗い顔してんじゃねーよ
石山
石山
他にも、ちょっとは目を向けろ
頭の中が、ぐるぐるする。

考えることが多くて、パンクしそう。
ほとんど眠らないまま、朝をむかえた。

自室の勉強机の上に置いてある本を手に取る。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(返却日、今日だ……)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(福原くんは、毎日図書館に来てるのかな)
ハッと気づき、首を振る。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(また、考えてる)
思い出さないようにと自分に言い聞かせて、かばんに本を入れた。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(ボーッとする)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(あまり眠ってないからかな……)
目をこすって、教室に入る。
すでに登校していた石山くんと目が合って、あからさまにそらしてしまった。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(わ、わざとっぽかったよね)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(でも、昨日の今日じゃ、さすがに)
もう一度、そっと顔を上げる。

石山くんは、すでに他の男子と喋っていた。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(石山くんに、ちゃんと返事をしないと)
眠っていないことが影響して、今日の授業はあまり頭に入っていない。
はつみ
はつみ
まりちゃん、次、化学だから移動だよ
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
そっか、うん
はつみ
はつみ
大丈夫? なんか眠そう?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
昨日、あんまり寝てなくて
はつみ
はつみ
まりちゃんのことだから、また遅くまで本を読んでたんじゃない?
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
そ、そうなんだ。続きが気になっちゃってしょうがなくて
はつみ
はつみ
わかる~。私もね、18巻ある漫画、朝の四時までかけて読んじゃったことがあるの
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
はつみちゃんらしいね
はつみちゃんにどう話したらいいのか迷って、結局笑ってごまかして、自分の席を立った。
次の授業の教室、化学室は、校舎四階にある。

私たちの教室がある二階から、階段を使って移動することになる。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(上りの階段、結構辛いな……)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(体が重い)
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(夜ふかししたくらいで、情けないなぁ……)
おぼつかない足取りで、先を歩くはつみちゃんの背中についていく。
階段の踊り場に、足がつく。

それと同時に、他のクラスの男子たちふたりが、談笑をしながら階段の上から下りてきた。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
(あ、どかないと)
そう思った瞬間、その内のひとりと肩と肩がぶつかって……
はつみ
はつみ
まりちゃん!
叫ぶはつみちゃんの姿が遠ざかっていく。
自分の足が、地についていない。
吉岡 茉莉花
吉岡 茉莉花
あ……っ!

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