翌日
目が覚めると、
私はシェアハウスに居て、
私の横にはおにぃが居た。
何があったんだっけ…
旅行に行って…
おにぃと蘭さんの、やばい話を聞いちゃって…
いや、何でこのシェアハウスに…
確か、監禁状態だったような…
てか…
私、今はこのシェアハウスに住んでる訳じゃない。
私の頭の中で、
色々と理解不能なことが起きている。
でも、今は何よりも…
ずっと、思っていても、
口にはしなかったこの言葉。
言ってしまうと、
もう何も出来なくなるような気がしていた。
でも、今はもう1人じゃない。
なら、言っても、きっと大丈夫。
そう言って、おにぃは抱きしめてくれた。
私はおにぃの腕のなかで、
この数ヶ月の思いを吐き出すかのようにして、
泣いた。
嬉しい、やっとおにぃが戻ってきた。
私はそれだけで、もうすっかり現実逃避していた。
が、それはすぐに、
おにぃの手によって、引き戻される。
決して、おにぃに悪気があった訳では無い。
おにぃは、ただ心配して聞いただけ。
でも私はその話の後、
罪悪感に押し潰されそうになった。
今はもう、あの時の状況とは違う。
犯人はもう、分かっている。
私は、言うべきなのか、
言わないべきなのか、
すぐに決断は下せなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。