第5話

キスを交わす兄弟 5
2,099
2022/08/20 03:39

蓮side










兄は俺に見せつけるように、









「橋本さん」という呼び方から「まなみさん」にした。









ジュースも俺に分かりやすいように見せつけた。









今も、分かりやすいように仲良さそうにしている










「亮平さんってお化け屋敷平気なんですか?」









「俺、全然平気。まなみさんは苦手そう」








「わかります?めっちゃ苦手なんです。」








はぁ…








「蓮くん、今日つまらない?」









『えっ……ううん。凄い楽しい 』








「本当?ならいいんだけど」








『なゆさん、俺たち初めてだよね、こんなにしっかり話すの』








「そうかも。私、人見知りが激しくて、あんまり人と話すの得意じゃないから、まなみとしか」









『そうなんだ。じゃあ、これからは俺とも話せるね』










「うん/////」










亮兄からの視線を少し感じた。









少しのんびり色々と乗って










次どこ行く?って話してた時










兄が「蓮、ちょっとお手伝いついて来てくれない?」と言うから








橋本さんとなゆさんと一旦二手に分かれ










行動することになった。










『亮兄、確かこっちにトイレが』










亮兄は俺の手を掴み、逆の方向に歩き出した。










『亮兄、だから反対だって』










「分かってる。ちょっと来て」










人の死角になる、ところで壁ドンをされた。










『亮兄、これはまずいって』









「なんか……なゆさんとめっちゃ仲良くしてたね」









『だってクラスメイトだし』









「なゆさんは蓮の事……いや、やっぱいいや」









兄は離れてしまった。









『ちょっと待って。何がいいたいの?』









「……今日の最後。これから観覧車乗りいこ。」










『え?』









「早くしないと待たせちゃうから」









合流してからも何も無かったように










自然と振舞った。









『あのさ、そろそろ帰らないとだし最後に観覧車乗らない?』









「私も亮兄くんと乗りたいな~って思ってました」










「じゃあここでペアになって乗ろ」










『なゆさんは俺とでもいい?』









「うん、」









『じゃあ、いこ。』










観覧車の目の前につき、亮兄と橋本さんが先に乗り込む。










俺は、なゆさんと2個後の観覧車に乗り込んだ。










ゆらゆら揺れながら、見える華やかな遊園地。









「蓮くん、今日はありがとうございました。」








『こちらこそありがとうございました』









「まなみが亮平さんのこと好きだって知ってるんですよね」









『はい、聞きました』










「私のことは、聞いてないですよね」










『なんにも聞いてないですけど』










「良かった…… 」










『なゆさんも亮兄の事好きなんですか?』









「いえいえ、私は……」









『もしかして俺ですか?』










そう言うと、なゆさんは首を縦に振った。











「好きなんです。」










『……ありがとう。でも、ごめん。今はあんまり恋愛に気持ちないから。』










「分かってました。あの、これから友達として仲良くして貰えませんか?」









『もちろん。僕で良かったら』









観覧車が一周して、降りて








階段を降りると……









キス寸前の亮兄と橋本さんがいた。








「あっ蓮。なゆさんも」








『何しようとしてんの?亮兄』









「蓮くん違うの!これは」









「まなみさん、なゆさん帰ろ」









なんだよ、あれ。








亮兄も自分勝手。









俺がどんな気持ちになるかどうかも知らないで。








遊園地の出口に向かって、歩いてる時も












兄へのイラつきは、治まらなかった。











遊園地を出て、橋本さんとなゆさんをバスまで送る。











「またね、まなみさん」








『気をつけて』










「はい!また行きましょうね」









「また!」













2人の乗ってるバスが動き出した。









「蓮、俺たちも帰ろ」











俺は、イラつきがもう抑えきれなくなった。










「蓮?」









『亮兄、もう1回入ろ』









「なんで?もうギリギリだけど」









『でも、閉園よりは時間あるから』










俺は亮兄の手を繋いで、観覧車まで歩いた。










「蓮」








『うるさい』









俺は、兄の手を繋いだまま








観覧車に乗り込んだ。

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