二度目の絶望を受けた俺は、幼い頃の俺とは違っていた。
感情に左右される俺とは。
様々な感情が溢れそうになるのを抑え、俺は担任に聞き返した。
「俺は今からどこに向かえばいいんですか?」
俺の淡々とした表情と言葉を聞いた担任は、一瞬俺を見つめ固まった。
だが、すぐに平然を取り戻して
「お父さんは仕事場の近くの"国際大学病院"に運ばれたそうだ。今から先生が送って行く。」
そして自分の荷物を持ってこいと言われ、
教室に戻り支度をした。
教室で黙々と帰る支度をする俺は、クラスメイトのただならぬ気配を感じ、声を掛けようとしているような、異様な視線を浴びていた。
しかし、声をかけてくる生徒は誰一人としていなかった。
教室から再び職員室へ戻り、担任と合流して車に乗せてもらった。
"国際大学病院"という名前からして、ここらの田舎の病院ではないことは明白だった。
その病院があるのは東京だった。
担任はクラスを隣のクラスの先生に任せてきたと言って、俺を数時間もかけて車を走らせ、東京まで送ってくれたのだった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。