その後、坂口さんとも合流した私達は
その日の夜をLupinで過ごした
太宰さんの希望で記念撮影をし、
お酒を飲みながら談笑して........
こんな毎日が続けばいいのにって、思った。
でもそれが今、急速に崩れているのに
私達はまだ気づかない...___。
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ポートマフィアの最高保管庫のひとつが襲撃された
暗証番号で守られていた筈の保管庫は
正規の暗証番号で解除されていたという...
執務室の扉をノックし、返事を待ってから扉を開く
最近の太宰さんは、敵対組織であるミミックについて熱心に調べていて、睡眠をとっている姿すら見かけなくなった。
その変わりようには太宰さんの部下達も驚いていて、しまいには首領が執務室にやって来るほどの大騒ぎだった。
ミミックの件は確か、織田作さんがやっていた筈...
友人思いなんだな、と心の底で密かに思う。
けれど、私は心配なのだ。
まともに睡眠をとっておらず、目の下にクマを作り、真剣に資料を読んでいる姿を見ると、疲労で今にも倒れてしまいそうで.....。
パサリと資料の束を執務机に置いた太宰さんは手招きをした。
何か用かと思い太宰さんのすぐ横まで近付くと...
ギュッと、抱き締められた。
何時もならば恥ずかしさのあまり押し返してしまうのだが、今日はそのような気にはなれなかった。
そう言って、私の首筋に顔をうずめる太宰さん...
ふわふわの髪の毛がかかって少しくすぐったい。
私は太宰さんが少しだけ、
愛おしく思えて頭を撫でた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。