(taiga side)
あの気持ちが何なのかわからず、俺は北斗を避けてしまっている。
本当に悪いことをしていると思ってる。
でも、後でもしないと、なんかやってられなくて。
こういうときは、恋愛の神様、樹に相談してみよう。そう思って、
大「樹??今日空いてるかな??相談したいことがあるんだけど……」
そう聞くと、
樹「おん、空いてるよ。俺の家でもいい??」
そう答えてくれた。さすが樹。
帰り際、北斗と樹は何か話していて、
大「じゅり〜、準備できた〜」
そう、北斗に聞こえるように言うと、
北斗はそそくさと楽屋を出ていった。
率直に、寂しい。そう思った。
ま、俺が悪いんだけどね。
樹の車で、食べるものを買い、マンションに向かい中に入る。
一息ついたところで、樹は、聞いてきた。
樹「で、相談事って??」
大「俺、この間知らない人に犯されて、その後北斗が助けてくれて、ギュッと抱きしめられて、キスされたのね。」
そこまで言うと、
樹「犯されたって、…」
違う話に反れそうだったので、
大「ま、そこは追々話すんだけど。で、そのとき、こう、胸の個々らへんがドキッてなって。体の体温もあがってさ、で、口に出ちゃったの。すきって。」
樹「え、わかってんじゃん自分の気持ち。」
でも俺は首を振る。
大「その、好きが危ないところに助けられて安心して、そう“兄弟”としてなのか、その、…」
樹「恋人としてなのか??」
大「うん………」
そこまで言うと、はぁ、とため息をついて、樹はいきなり俺の手を強く引っ張って、ソファに押し倒した。
大「っ!?なに、樹??」
樹「今の気持ちは??」
大「っえ、えっと……、その…、」
樹「正直に」
俺はあのときのことがフラッシュバックして、
大「こわい。怖くてたまらない。」
そういうと、樹は、俺の首元に顔をうずめて
樹「じゃあ、北斗にさ、こういうことされたらどういう気持ち??」
そう聞いてきた。
北斗??北斗だったら
大「こわく、、ない。逆にうれしい、かも。」
そういうと、樹は、ふっと笑って俺から離れた。
樹「それが答えだよ。きょも。」
そう言われた。
俺の気持ちをはっきりさせるために、わざと自分が嫌われるようなことを??
その事実に気がつくと、同時に目元が熱くなる。
大「っ、ごめん。樹。ごめん、」
どんどんあふれる涙を人差し指で拭って、
樹「俺がほしいのはその言葉じゃない」
このイケメン野郎。
大「ありがと!!」
そういって、樹に飛びつく。
そのまま、安心して俺は眠りについた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さぁ、お待たせいたしました!!!
次回最終回です!
最後までお楽しみください!!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。