第45話

真夜中の始まりの段
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2022/03/26 09:10
真夜中の月。一ヶ所に集まり、髪を下ろして水色の着流しでだんだら模様した羽織を着ていた食満夕河は未だに眠っており、学園長の側で寝かせていた。
食満留三郎
夕河……
善法寺伊作
留三郎。夕河はきっと大丈夫だから怨むのはやめようね
土井先生
どう探りましょうか?
山田先生
ドクツルタケ城に関しての情報は無いからな。責めたくても無理だ
留三郎は朱夏を戦う気満々でドクツルタケ城は初めて聞いたので今までの城よりも情報は少なかった。
猪名寺乱太郎
ドクツルタケって確かこの前交流した俊逸道場が追っている連中で私達忍たまに勝ち目はあるんですか?
ナギメの情報だと五年前。陸奥国で起きた怪奇事件とはドクツルタケが起こしたと言われ、全身串刺しにされる人や火炙りにされる人中には血を抜かれた死体などと悍ましかった。そしてドクツルタケ城に連れ攫われてた人は実験体にされ、能力を悪用されて死に様や叫びを聞いたから我慢しなければならない故、トラウマになっていって眠れない夜になって寝ない人はムチや刃物を刺したり、火に当てられるからで紅緒姫はある条件があって帰してくれる事なるが仲間と陸奥国の人の命の選択をせがまれて囚われた人全滅しているのに笑って陸奥国の人は囚われた両親や親身などは呪いをかけられつついないもの扱いされてからドクツルタケ城の人類で最大の罪らしいので強いのか弱いのかハッキリとした事が全く分からなかったけど町では捕まえられたら永遠に終わりだという噂だった。
山田先生
留三郎?夕河が気になるのか?
土井先生
たった一人の弟だから無理は無いけど今は集中するように
食満留三郎
はい…(何故だ?何故夕河なんだ!?夕河…お前が死んだら…っ!)
六年生一同
留三郎…
夕河が襲われた中で眠っているから留三郎は泣きそうの中で仲間達は同情せざるを得なかった。
⁇⁇
彼が食満夕河ですかい?
目の前にいるのは忍術学園の領園田村である霧深き村の長老がいて依頼をしにやって来た。
食満留三郎
私の実の弟である食満夕河です。今は眠っていますけど
霧深き村の長老
こんなに可愛い子が痛々しい姿になって哀れじゃのう……
人の痛みや感情の分かる優しき心のある長老で天女絵面である夕河を見て悲しんでいた。
霧深き村の長老
わしらの村を守って欲しいんです。ドクツルタケは毎回毎回人を攫って忘れられる魔術がある奴らで村を襲う気満々なんです
忍術学園が霧深き村に行ってみると酷い有り様でドクツルタケが通り過ぎた跡だったので村の中で建物は無事だったので夕河を寝かせていた。
⁇⁇
お久しぶりです。父上
そこには山田先生の一人息子である利吉がやって来て夕河を見るたび同情せざるを得ない。
山田利吉
なるほど。彼が食満留三郎の実の兄弟である食満夕河ですか?まだ子供で体中が痛いだろうに
食満留三郎
何故夕河を殺されなきゃならないのかが分からなくて悔しがって泣いているのを見て許せない感情が甦るんです
山田利吉
気持ちは分かるけど今は抑えるんだ
山田先生
利吉の言う通りだ!
ビュンと加速し留三郎の前に山田先生が回り込み立ち止まる。
山田先生
少し冷静になれ!留三郎!お前が夕河が大事な事は百も承知だ。もとより後輩好きなお前なら弟ともなるとより可愛いのだろう。だが忍者たる者、冷静さを失うと守るものすら守らなくなるばかりか!お前自身も危うくなるのだぞ!そんな事、夕河はもとより、同じ用具委員のしんべえや喜三太、富松作兵衛や浜守一郎も悲しむのだぞ!
食満留三郎
はっ!
山田先生の言葉を聞きはっとして立ち止まった。すると珍しく犬猿である潮江文次郎が横に並んだ。
潮江文次郎
全くアホが!忍者の基本だろうが!夕河の事はお前だけじゃない!俺も、仙蔵も、小平太も長次も伊作も!夕河と同じは組もみんな大事なんだよ!お兄ちゃんだからって出しゃばるんじゃねぇ!
食満留三郎
文次郎…
文次郎の横に仙蔵が小平太が長次が並ぶ。
中在家長次
私も一緒に走ったら案外早くて情報の提供の時に世話になってな。いい弟を持ったな。留三郎。だから私も夕河が大事だ!
中在家長次
もそ…何時ぞやの時…一緒に夕河を探しに行ったな…これも何かの縁だ…
食満留三郎
文次郎…仙蔵…小平太…長次…
善法寺伊作
留三郎…みんな夕河が大好きなんだよ?多分小さい頃の君と重なるんだろうね?僕も夕河は大好きだよ。素直だし、優しいし。それに…彼に関わると何故か不運が来ないんだよね
苦笑いを浮かべる伊作。思わず留三郎の目から涙が溢れ出す。
食満留三郎
みんな…っ…すまない…っ!…ありがとうっ!
袖口で涙を拭う。再び山田先生が前を向く。
山田先生
わかったな?留三郎。みんな夕河が大事なんだ。私と土井先生は尚のことな。だって…ねぇ?土井先生?
土井先生
はい…山田先生…だって留三郎
意味ありげな視線をお互い向け合うと同時に留三郎を見る。
食満留三郎
山田先生
だって夕河がいないと!誰があの子達のストッパーになるんだ!!!誰がお約束を壊してくれるんだぁぁぁ!!!
土井先生
だって夕河がいないと!誰があの子達のストッパーになるんだ!!!誰がお約束を壊してくれるんだぁぁぁ!!!
五年生一同
だぁぁぁぁ!!!
六年生一同
だぁぁぁぁ!!!
全員思わずすっ転んだ。山田先生と土井先生からしてみれば今の夕河はは組に無くてはならないストッパー兼お約束ブレイカー。いなくなったら全てが元に戻ってしまう。
土井先生
そんな事になったら今度こそ胃に穴が開いてしまう!
久々知兵助
ま、まさか先生方、私欲とは…
尾浜勘右衛門
まぁ。らしいちゃらしいけど
竹谷八左衛門
ってか感動的な空気が台無しです!
今は彼が無事に起きてくれる事を祈るしか無かったので見守っていた。
朱夏
レディースアンドジェントルメン
食満留三郎
あっ!!夕河ぁぁぁぁぁ!!
再び朱夏がやって来たので留三郎は許したく無い気満々で眠っていた夕河を守っていたのにいつの間にか囚われてしまって縄を縛られていた。
土井先生
何する気だ………
食満留三郎
お願いだ…やめろ…もう…やめろ…もうやめてくれ…
食満夕河
ガハッ!!!!!!
腹に棒を突き刺して血反吐を吐き、とどめを刺した姿を見て格の違いを痛感した留三郎は夕河を傷つかせた朱夏にガチギレしていた。
食満留三郎
朱夏ぁぁぁぁぁぁ!!!!!
朱夏の性格は気分しだいで多くの人間を無感情に殺め、それらの所業に微塵の罪悪感も抱かず、恐ろしいほど迷いがない残酷な性格だったので留三郎は夕河を傷つけたのを痛感した。
食満留三郎
貴様!よくも夕河を!!
山田利吉
やめろ留三郎!お前ではまだ朱夏に挑むは無謀だ!奴はドクツルタケの中でも相当な手練れのはずだ!
土井先生の言葉を聞くや否や朱夏は三節棍を手に持ち山田先生と激しくやり合う。
山田先生
くっ。私よりも早い!此処は私が請け負う!お前達は早く夕河を助け出せ!
潮江文次郎
山田先生!助太刀します!
山田先生
ならん!こいつは私よりも遥かに強い!私も必ず後から…くっ!
朱夏
それは俗に言う死亡フラグだぞ?山田伝蔵
食満留三郎
我慢ならん!!!!
留三郎は覚醒してしまい、朱夏を吹っ飛ばした。覚醒のきっかけは、『人生で一番大好きな夕河を失いたくない』である。 

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