第30話

闇の海 side神崎舞
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2018/07/15 10:34
龍田斗真
驚いたよ、まさか柊翔も奇跡的
に生きていたとは…
倉持柊翔
まぁな。
神崎舞
あのジジイ、斗真が生きている
こと知ってたくせに隠していや
がった。
美竹友紀
舞ちゃん、落ち着いて。
星野弥生
杉山さんのことジジイって…
DEATH GAMEについての議会が国会議事堂で行われる時、特別に舞ちゃんは参加するように言われていた。全ての話を知っている者として重要らしい。
若槻翔馬
まぁ、そこはどうでもいい。
次はお前の話だろ?死神さん。
翔馬がニヤつきながら舞ちゃんを見る。
神崎舞
そうだね〜…僕から話さないと
いけないのは3つかな。
舞ちゃんは俺達の方に来て、席に座ると、
指を3本立てた。
神崎舞
1つ、落とされまた会うまで。
2つ、柊翔を殺したあと。
3つ、僕のこと。
倉持柊翔
舞のことって?
神崎舞
まぁまぁ、聞いたら分かるよ。
それじゃあ…始めよっか……
そして、舞ちゃんは口を開いた。




















僕は美琴達により崖から突き落とされた。
やがて、木が腕を切り裂き地面に衝突する。
神崎舞
っ!………









周りが暗い、夏なのに寒い……
切り裂かれた腕と頭は燃えるように痛い…









こんなところで死んだら駄目なのに…










とても眠い、このまま眠れたら…









けど……動け!早く動いて!!
僕の意識は身体から離れ、闇の海に沈もうとしている。必死に身体の肩を掴むと手が離れ沈み始める。
……これで人生は終わりかな…
そう思いながら僕は身体から離れ沈む。
すると、誰かが僕の身体に向けて伸ばしている手を握った。
誰?
僕の手を握ったのは優しい笑顔の女の子。
けど、私は知らない。
その女の子は言った。
『ここで諦めたら会えないよ。』
今になって思うと雪奈に似ていた。
手を引かれ、身体に向かって進んでいく。
次にいるのは男子と女子。
男子は柊翔に似て、女王は少し夏稀さんに
似ていた。こっちも今考えると燐翔と紗奈
だったのかもしれない。
『舞はもっと強いだろ?』
『貴方はまだすることがあるわ。』
そう言われると、僕は雪奈から燐翔と紗奈に手を掴まれ身体に向かう。
君達は誰?僕は知らないのに…
身体がある水面の上には柊翔と斗真が見えた
燐翔と紗奈は手を離すと僕の背中を押す。
僕は足掻き必死に身体に手を伸ばした。
あと少し…!
しかし、力尽きまた沈み始めた…
だが、伸ばしたその手を掴まれた。
掴んだのは……僕のお母さんだった。
『舞、頑張って。貴方なら出来るよ。』
そう言うと、お母さんは僕を一気に引っ張り上げたのだ。
そして、僕は目が覚めた。
目の前には草木と空が見える。
ゆっくり一歩一歩、歩きずっと前に作った
ツリーハウスに辿り着く。
ここは僕の休憩所で、ある程度の物なら揃っている。登り中に入ると、救急箱を取り出して応急処置。
神崎舞
さて…どうしようか……
多分、美琴達は僕が死んだと思っている。
だから、ここで出てもスグに殺られる。
それなら、力を温存すべきか…
そう思い、ツリーハウスにこもった。
やがて、夜になる。僕は村の様子を見に行こうと思い歩き出す。
そして、見たのは湊と柊翔。
湊が刀を柊翔に向かって振り上げる。



ドクン……ドクン……ドクン…………
……血と目の前の光景に心臓が高鳴る。
湊の刀がブラッドムーンに照らされて不気味に見える。…が、それがまた美しい。





『…舞、戦って。誰よりも強く、美しく。』





そんな声が聞こえたような気がした。
ボロボロの身体に力がみなぎってくる。
そして、日本刀を握りしめる。
戦え…!…誰よりも強く、美しく!
地面を蹴った次の瞬間、僕の刀は湊を貫いた

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