第7話

6 ダリア
27
2024/03/04 07:17
黄
おい、あんま遠くに行くな。怪我されても困るからな
ボーっとした様子の白を引き戻して、何かあったのかと聞いてみる。
白
...
白は、しばらく黙ってから口を開いた。
白
...いえ、何も。
こいつ、なんか隠してるな。
白は自身の手首をさすっていた。彼の動揺の合図。
あれから2時間ほどして暗くなってきた。
白は、時折手首をさすりながら考え込んでいたり、一点を見つめてぼーっとしていたりと、絶対にあの場で何かあったんだろうと思わせるような行動をとっていた。
黄
...さ、そろそろ帰るか。
そう声をかけて、皆で帰る準備をし始めた。
黄
おい、白。帰るぞ
白
あっ..は、はい
コイツはまたぼーっとしていたのか。
半ば強引に彼の腕を引いて、医務室へと帰った。
医務室へ帰っても、白はどこか上の空。名前だって2、3回呼んだって返事をしないことも何度かあった。
その日の夜、口汚い死に損ないとウサギはすでに眠っていて、ヒカリは夜行性なので楽しげに飛び回っている。青は口汚い死に損ないが何か無理に動いたりしないように、アイツと同じ個室で寝ている。
黄
んで?お前あそこでなんかあったろ
白
え....あぁ......何も....
話を聞いているのか聞いていないのか、遅れて曖昧な反応が飛んでくる。
一応内容は理解しているようだが、常時ぼーっとしたというか、心ここに在らずな感じだ。
黄
はい嘘ついたー、教えないと寝かせてやんねえからな
白
なんですかその言い方...
納得できないというように俯いた白。しばらくしれ、彼はポツポツと言葉を繋ぎ始めた。
白
....俺には...いたでしょう?.....亡くなった恋人
黄
おん
白は少し黙った。しばらくして、とても言いづらそうに、眉間に皺を寄せながら再び口を開く。
深刻そうな、何かを悔い改めるような、後悔に溺れた顔だった。
白
...その恋人と、今日、再開したんです
「何を言っているのかわからないと思いますが」と悲しそうに告げた白。信じるわけではないし、信じないわけでもない。彼の返答より今の俺のがよっぽど曖昧な立場にいた。
黄
は?でもお前目の前で死んだって———
白
そうです。だから、あの人があそこにいるわけがないんです。
白は、深く長く考えすぎると頭が痛くなる。今回もそれは例外でないようで、顔を歪めて頭を押さえていた。
黄
...まぁ...信じない訳ではないが信じ難いな。今から一緒に見に行くか?霊ならそっちのが見つけやすいと思うし
そうきいてみれば、彼は小さく頷く。俺たちは2人で、白が亡くなったはずの恋人を見たという茂みのある花園へと向かった。
おちび
おちび
はい
おちび
おちび
2日ぶりですね
おちび
おちび
多分
おちび
おちび
今日は野良猫が僕の掛け布団にうんこした
おちび
おちび
洗濯機は使われてるから今日は洗濯できない
おちび
おちび
泣きたい













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界    :   植物界
階級なし : 被子植物
階級なし : 真正双子葉類
階級なし : キク類
目    : キク目
科    : キク科
亜科   : キク亜科
連    : ハルシャギク連
属    : ダリア属

学名【Dahlia】

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