暗い裏路地、エースには不安が募っていた。この少女はどうしてこんな所に倒れているのか、自分はとんでもないところに遭遇してしまったのでは無いか、グルグルと色々なことを考えては、頭を抱えて唸っていた。
だが、その時
遠くからタイヤのこすれる音が聞こえる。兄が迎えに来たのだと分かるその音はエースにとって希望そのものだった。
エースは顔を上げ、兄を早く見つけようと路地を出た。当たりを見渡せば、1台の見知った車があった。
大きな声で兄を呼び寄せ、不安の元を早く見せようと、小走りでまた路地へと戻って行った。
それから兄が路地に入り、自分の元へと向かってくると、エースは不安を指さしながら言った。
まるでモノをそのまま置いたかのように、なんとも言えない体制で、髪も乱れたまま道路に横たわっている少女の様子はリッターでさえも“落ちている”ように見えたのだった。
この“落ちている”少女をどうするべきか、2人は迷っていた。このまま置いておいたら少女はどうなってしまうのだろか。かと言って無断で連れ帰ってみても良いのだろうか。まず少女は生きているのだろうか。寝ているのだろうか。
分からないことが多すぎて2人は、しばらく黙りこくっていた。
その静寂を破ったのはエースだった。
2人が少女の生死を確認するより早く、少女が唸ったため、少女が生きていることが2人はわかった。なにかエースの様子がおかしかったが。
また、ここで問題が出た。
なぜこんな所で少女は寝ているのだろうか。
十中八九捨てられたのだろう。と、2人は考えたが、捨てられた子供の対応なんてしたことはもちろん無い。さぁどうしようかと思っていた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。