第193話

想像できないもしもの話。**
441
2021/11/23 13:41 更新


楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、楽舞と過ごす夢のような時間は終わりに近づいていた。



(チャットまで交換してしまうなんて…)



お店を出る前に、楽舞がスマホを差し出して来た。


まさかと思い画面を覗けば、楽舞のチャットのQRコードが表示されている。


思わず交換してしまったが、神楽 楽舞と書かれたチャットのトーク画面に手が震えてしまう。
こた
ほ…本当に、俺…楽舞と友達になったんだな…


今日の出来事を思い出して、改めて実感する。

楽舞
ふふ、こたちゃんにまたチャット送るからの〜♪
こた
ありがとう!ぁ…でも、仕事忙しいだろうし…無理にチャット送らなくても良いから…
楽舞
むぅ〜、こたちゃん。楽舞はお友達との時間だって欲しいんじゃ。話したいからチャットを送るんじゃから、そんなことを言うんじゃないっ
こた
ひゃっ…ひゃい…!


むぎゅっと頰を摘まれる。

ふふっ、らんまちゃんと仲良くなって良かった〜!
こた
つ、つぐみ〜…幸せすぎて…俺、どうしよう…
こたへのご褒美だよっ
それに、らんまちゃんも友達ができて嬉しそうだし、つぐみも嬉しいっ
楽舞
つぐちゃんもこたちゃんのこと紹介してくれてありがとう
楽舞
これからも、アイドルアランとしても、友達の楽舞としても宜しく頼むぞぃ♪
こた
おぅ…!


2人に手を振り、解散。


田舎にいた頃は、絶対に有り得ない出来事。


改めて…

こた
都会って、すげぇ…


そう思った、今日この頃__


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


▽▽


あれから数日。


相変わらず平凡な生活を送っている中、一つ気がかりなことができた。


こた
ん…おはよう、琥珀
琥珀
ぁ…おはよう…ございます
こた
んん…っ


朝、元気のない琥珀にベットの中で強く抱きしめられる。


抱きしめている間は何も喋らない。


ただ顔を埋めて、抱きついてくるのだ。


そんな琥珀の頭を優しく撫で、抱きしめ返せば更に抱きしめる力が強くなるだけ。
こた
…おーい、学校行く準備しねぇと
琥珀
……はい


ぽんぽんと背中を叩き、行動を促せば浮かない顔で動き出す。


これが、1週間は続いている。



(ぜってぇ何か隠してるな…)



いつもなら明るい顔で朝もキスをしてくれるのに。


最近は、そういうこともしていない。



(まぁ確かに、元気のない時にそういうのやる気にはならねぇけど…)



恋人として、何かあったのなら伝えてほしい。


琥珀の悩みの解決策を、一緒に考えたい。



(朝ご飯食べながら聞いてみるか…)



朝ご飯を作りながら、悶々とする__


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


▽▽


エッグトーストに、ウインナーとコーンスープ、ヨーグルトにコーヒー。


気持ちいい朝を迎えるに相応しい朝食が並べられたテーブル。


見ていて心が明るくなるような光景とは対照的に、目の前には浮かない顔の琥珀。


相変わらず、元気のない顔でスープを口に運んでいる。



(今日、学校の帰りバイトだし…ゆっくり話せる時間が今しかねぇんだよな…)



琥珀の雰囲気から、何となく聞きづらかったが、意を決する。



こた
な、なぁ、琥珀
こた
何かあったのか…?
琥珀


勇気を振り絞って琥珀に尋ねれば、スープを飲む手が止まった。
こた
最近、元気ねぇし…心配してんだぞ?
琥珀
…すみません
こた
…何があったか言ってみ?な?
琥珀
っ…


優しく促せば、口を開き、また口を噤む。


それを何度か繰り返し、決心したのか、俺の方を向いた。

琥珀
…2年
こた
え?
琥珀
…2年、俺に会えなかったらどうしますか?
こた
えぇ?


突然の質問に、首を傾げる。


2年間琥珀と離れる?なんだそれ。
こた
うーん…?理由にもよるなぁ…
琥珀
じゃあ…留学とか、だったら…
こた
そりゃあ、しょうがないだろ。自分の夢の為なんだから
琥珀
…こたさんは、寂しくないんですか?
こた
え?いや、そりゃあ寂しいけどさ、行くななんて言えないだろ


現実味の無い話だが、好きな人と離れるのは寂しいことだ。


でも、夢の為なら、それを応援するのも恋人の役目だと、俺は思う。


だから、俺は自分の思ったことを素直に伝えただけなのに__



__

琥珀
……へぇ。俺と離れるの、あんまり寂しくないんですね
こた
は…?


冷たく放たれた言葉に、ドキリとする。

こた
さっきから何言って__
琥珀
__俺は凄く寂しくて、離れたくないのに
琥珀
こたさんはしょうがない、で済ませられるんですね
琥珀
薄情だなぁ…
琥珀
…はは。聞かなきゃ良かった
こた
っ!!


心のこもっていない冷たい目で、見つめられる。


__怖いと、瞬間的に思ってしまった。


琥珀の言っていることが、全く分からない。


突然、もしもの話をされて、それに応えたら冷たい態度を取られた。



(何が起こってるんだ…?)

こた
こっ…琥珀…
琥珀
…はい?
こた
〜っ…


人の目ばかり気にしていた俺には、分かる。


この反応は、面倒くさい相手に取る態度だ。


唇を噛み、溢れそうになる涙を堪えて下を向けば、琥珀が椅子を立つ。

琥珀
…先に学校行きますね
こた
ぁ…


手を伸ばしても、琥珀の背中には届かない。


玄関の扉が閉まる音と同時に、涙が伝う。


琥珀が、初めて約束を破った。


行って来ますのキス、毎日していたのに__

















お久しぶりです〜!!多忙週間を乗り越えることができたので、久しぶりの更新です!!

いや、めちゃくそ辛い終わり方したのになんでそんなに明るいテンションなんだよと、お思いの方はいらっしゃると思いますが、お許しください。

アンケートもありがとうございました!!

なんと、2年間投稿をしていなかったやきもち彼氏の慰め方。が更新して欲しいとの投票が1番多く…!!とても驚きました。美少年攻めがお好きな方がこんなにいるとは…!!茶々丸とっても嬉しいです。

12月に必ず1話は更新しようと思います。

また、二番人気だった選ぶ前に愛してあげる。は昨日更新しましたので、是非ご覧下さい〜!!

最近、小説宣伝のタグが新たに公式で出ましたね〜!!茶々丸も皆様に宣伝してもらえるような小説書ける様に頑張ります!!

いいね、お気に入り登録、コメントありがとうございます〜!!

次回もお越しください〜!!

プリ小説オーディオドラマ