しばらく歩き、屋台が道路の左右にずらりと並ぶ祭り会場に出た。
今日はめちゃくちゃ無愛想にして、ハルアキくんを嫌な気分にさせて早く帰る。さっさと帰るんだ!
パンッ!と乾いた銃声が響き渡る。
「やった当たったー!」
「は!?マジかよ、一発目だぞ!?」
「私射的得意になったんだよねー。コツ掴んだっていうか」
他の祭りで射的ばっかやってたのも関係あるかな。
金魚すくいとかあんまり好きじゃないし。
「お前、そういうのは先に言えよ!」
「聞かれてないもーん」
したり顔で答えつつまた一個景品を倒す。
結果、射的勝負は私の勝ちだった。
「よっし、一勝一勝!」
「まぁまぁまだ大丈夫だな。俺二勝してるしまだ勝ってる」
「うるさ!すぐ抜かすから」
「負けねえよ」
バチバチと見えない火花を散らし合う。一度視線を逸らすと、バカバカしくなって、ぷっと吹き出してしまった。
「ねぇ次――」
ハッ、と我に返る。
待って私、普通に楽しんでる……!
今からでも素っ気ない態度を取るか迷ったが、ハルアキくんの純粋な笑顔を見ていたら、まぁいっか、と思えた。
よくわからない感情が鼓動を速めていた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。