____ぐるぐるぐるぐる
渦巻いて消えない
ゴゴゴゴゴッ………ゴオオオオン…
プツン___
此処は地下室のはず、窓もないし、さっき聞こえた声の通りなら上はもう炎の海のはずだ
炎が消えていたとしても崩れれば埋もれてしまう__
バサッ
大きな漆黒の翼が部屋の中に広がった
私よりも大きく、きっと包み込むこともできるだろう
カルエゴと呼ばれた悪魔が持つ蝋燭の火が羽を照らし、影が私に降りかかる
羽を広げ笑うその姿は悪魔というに等しく、とても綺麗だ
ふわっ
そのままカルエゴの胸の中に運ばれ、仰向けにさせられる
バサッ
羽が再び音を出して二人共宙に浮いた
耳に手を当て呟くと、私の身体に手を戻してしっかり支えてくれた
バサッ
一度羽ばたき、そして__
ビュンビュンと加速しながら彼の羽が空を切る音が響く
あまりにも速いものだから、建物が揺れているなど全く分からない
分かることといえば、炎が上がっていることぐらいだ
またぐるぐると渦巻き始める___
前方の両脇の柱が崩れてきた
___が
落ちてくる物の隙間を器用に飛びながら、さっきよりも速く倒れる柱の下に潜り込んだ
瞬きの間に柱から離れ今度は上に急上昇した
私は目を輝かせながら彼を見た
地下の時とも違うその真剣な目は私に気づいて此方に向いた
此方の方が何倍も早いと言いながら彼は私を連れてどんどん上に行く
早く開けて出なきゃと思い手を伸ばそうとしたらその手を掴まれた
黄色の光が見えはじめたので慌てて目を瞑る
フワッと何かが身体に被さった気がした
ガッ!!!………………………ピキッ
ピキッピキッ…………
彼が後ろに下がったのが分かった
__そして
ビュンと身体が勢いよく半回転して…
ガシャアアアアア
少し目を開けると、彼がその足でガラスを蹴り破っていた
身体を見ると白いふかふかの毛布らしきものがかかっており、彼の羽が私を覆うように前を隠す
そう言われ再びぎゅっと目を瞑る
数秒たつと冷たい何かが身体を過ぎていった















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。