第44話

里の温泉
946
2020/04/29 06:00
甘露寺 蜜璃
えぇっ!!宇髄さんに!?
夜霧 蘭
夜霧 蘭
あっはは、蜜璃ちゃん声、大きい。
辺りは草木、山景色。だけど、


〝温泉〟はとても気持ちが良かった。


看板には何やら沢山の効果が書いてあった。


まぁ何だか性格の歪みやら失恋の痛みやらを治す、


面白い効果も書いてあったけどね。


その温泉に入りつつ、疲れた体を癒していた。
甘露寺 蜜璃
ご、ごめんなさい、
でも驚いちゃって…!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
いいや、謝らないで。
どうせ山の中だし、誰もいないよ。
甘露寺 蜜璃
えっ!?蘭ちゃんは驚かなかったの?
夜霧 蘭
夜霧 蘭
うーん、驚かなかった、
って言ったら嘘になるけども。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
そこまでかな。(笑)
天元くんは、好きな相手、だけど。


恋愛の対象な訳ではない。


私の恩人であり、尊敬し、兄のような存在だ。
甘露寺 蜜璃
す、凄いわ…私だったら多分その場で倒れ込んじゃうわぁ…!
甘露寺 蜜璃
でも素敵ね~!
お嫁に行く心配なしなんて~!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
えっ。
甘露寺 蜜璃
え?
夜霧 蘭
夜霧 蘭
蜜璃ちゃんも大丈夫だろう、
彼が居るんだし。
ほら、彼だよ、彼。


君のことを大好きな。
甘露寺 蜜璃
彼…って?
夜霧 蘭
夜霧 蘭
小芭内くんだよ。
甘露寺 蜜璃
ふぇっ!?ひぇ、え!?
いっ、伊黒さ、ん!?
夜霧 蘭
夜霧 蘭
驚きすぎだよ!(笑)
あーあー、顔真っ赤だよ。
甘露寺 蜜璃
こっ、これはのぼせて…
夜霧 蘭
夜霧 蘭
はいはい。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
最近は、どうだい?
話す暇とかあるのかい?
甘露寺 蜜璃
うーん、そういえば、この前の任務終わりに…たまたま会えて…
たまたま、ね。


あ、何か怪しっ。
甘露寺 蜜璃
和菓子屋さんに行ったわ!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
恋人か。
甘露寺 蜜璃
こっ!?恋、!?
夜霧 蘭
夜霧 蘭
おや、恋柱なのに、
気付いてなかったのかい。
甘露寺 蜜璃
それとこれとは別よ~!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
ははは、からかっただけだよ。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
────!
甘露寺 蜜璃
─────!
遠くから、『ありがとうございます』の連呼。


これはこれは。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
誰か来たみたいだね。
甘露寺 蜜璃
…ふふ、何だかドキドキしちゃうわ!
蜜璃ちゃんは温泉から立ち上がる。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
ドキドキ、ね。
と、私も続いて温泉から上がる。
甘露寺 蜜璃
あら、蘭ちゃんも上がるの?
夜霧 蘭
夜霧 蘭
あぁ、お風呂はそんなに長くないからね。これ以上入ると熱くて無理だ。
甘露寺 蜜璃
じゃあ行きましょう!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
…と、そうだ、蜜璃ちゃん。
甘露寺 蜜璃
へ?
夜霧 蘭
夜霧 蘭
想いは、伝えないと伝わらないし、
早く伝えないと、伝え損ねるよ。
甘露寺 蜜璃
!!
甘露寺 蜜璃
あっ、待ってよ!蘭ちゃん~!!



それから温泉を後にし、宿のような所へ。


蜜璃ちゃんと話しつつ、廊下に出た。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
ん?
甘露寺 蜜璃
とっても背が高いわ…素敵!
前から、背が高い、髪型は変わっている男性。


あぁでも若そうだね、隊員だろう。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
私と身長が近いね、あれ?
でもどこかで見たような…
甘露寺 蜜璃
はじめまして!こんにちは!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
え、ちょ。
甘露寺 蜜璃
大きいね~!なんの呼吸使うの?
何歳ですか?名前何て言うの??
甘露寺 蜜璃
あ、私甘露寺蜜璃です!
いや、急過ぎないかい!?


名乗って名乗れって。そんな、凄い勢いだね。(笑)
夜霧 蘭
夜霧 蘭
コラコラ、蜜璃ちゃん。
彼、困ってるよ。
まぁ困ると言うより、私が視た所、


照れて恥ずかしそうだな…


硬直しちゃってるもんね。こりゃ可哀想だわ。
甘露寺 蜜璃
そうなの!?ごめんなさい…!
???
───ッ
夜霧 蘭
夜霧 蘭
おや、逃げるのかい。
彼は何も話さず、逃げるように走り去ってしまった。


一応、会釈はしてくれたけどね。


私しか見てなかったけど。
甘露寺 蜜璃
あっ!待ってよ~!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
まぁ、深追いは止めておきんさい。
人には事情があるだろう?
甘露寺 蜜璃
…そうね、また今度の機会にするわ。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
うんうん、で、
さっきの話に戻るけど────
と、また話をして色んな所を見て回る。


するとまぁびっくり。


見慣れた花札の耳飾り、頭の傷、またかい。
甘露寺 蜜璃
あーっ!炭治郎くんだ!
炭治郎くーーーん!!

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