第12話

11 タツナミソウ
21
2024/04/22 02:35
しばらく沈黙が続き、それを破ったのは赤さん本人だった。
赤
...まぁ...いいや。とりあえず今日の夜からな
それは今その顔で言うと意味合いが変わってくるだろうとも思ったが、ドクターはそんなに話の通じない人ではないので問題はないようだ。
その時、ガラッなんて音が聞こえて、扉が開いた。
黄
なんだ、今日は患者が多いな
そうドクターが呟いて、俺とドクター2人揃って扉に目をやった。
???
???
死んじゃうかもしれませんっ!
慌てた様子で医務室に入ってきたその人。名は名乗らなかったが、それ以前に彼が連れてきた患者さんの容態が酷いので、そちらに集中することにした。
黄
あ“ーーー、重症だな。これ止血しとけ。輸血パック持ってくる
白
はい
そう言われて、とりあえず包帯を付近に強く巻いて止血を試みた。
意識はほぼないのか、少々顔を歪める程度で特に反応はない。
しばらくして戻ってきたドクターが彼に点滴と止血剤打ち、しばらくしてから彼は目を覚ました。
青色の患者さん
青色の患者さん
...
白
気分はどうですか?
青色の患者さん
青色の患者さん
...んぉ...?
まだぼんやりとしているのだろうか、患者さんは少々ふわっとした様子で微笑んだ。
黄
お前、なんでそんな綺麗に腕だけイかれたんだ
そう訊かれて、患者さんはぎくりとした顔をした。彼は何かを隠すよう言葉を濁す。
青色の患者さん
青色の患者さん
あっ..いや..それはァ〜..
赤色のお兄さん
赤色のお兄さん
助けてくれてありがとぉ、でも先生たちには関係ないよぉ
ふわふわと柔らかな笑顔で言う付添人さんは、どこか冷たい雰囲気を漂わせていて。
黄
...あっそ。
まぁ生きてりゃ十分だ。興味ねえ
そう言ったドクターは、本を開きページを捲る。
赤
ナニソレ
黄
赤
見りゃわかるんだよなァ...
先程のことがあったからか、2人の間には少し距離があった。
ウサギ
ウサギ
わたし午後から任務なのですが、行ってもいいです?
黄
ダメ
ウサギ
ウサギ
わかったのです
ウサギは席に座り、上手く力の入らない腕で本を開く。
赤
ウサギは?何読んでんの?
ウサギ
ウサギ
解剖学の本なのです
赤
うぇ、痛そう
顔を歪めた赤さんは、患者さんの付添人さんと話しているドクターに声をかけた。
赤
なァヤブ医者。こーいう内臓って僕らにしかない特徴とかないの?
黄
知らん。俺は生物学者じゃない。あとヤブ医者って呼ぶな
「強いて言うなら内臓ではないがお前のゲノムサイズは〜」なんて適当に話すドクターを尻目に、俺は患者さんへと声をかけた。
白
先程言葉を濁しておりましたが、どうかしましたか?話したくないようでしたら別に構わないのですが...
青
他に誰か怪我してたら拾いに行くよーーー!!
「その言い方をやめろ」と本のページを捲りながら注意をしたドクターの元へ、「何読んでんの」と向かう青さんは、内容が分からなかったのかドクターの読んでいる本を覗き込んで顔を歪めていた。
赤色のお兄さん
赤色のお兄さん
お兄さんが食べちゃったんだよぉ〜、でも、あんまり関係ないねぇ、
あはは、なんて朗らかで柔らかい笑顔を浮かべながら言う付添人さん。「食べた」。その言葉に、嫌な予感がした。
白
え...?た、食べたって....
青色の患者さん
青色の患者さん
あはは...そ、そうなんですよ。あ、承諾はしたんで大丈夫ですよ
大丈夫じゃないんだよなぁなんて思いながら彼の包帯に巻かれた短い腕を見る。多分、失礼だけど顔は自然に歪んでいたと思う。
赤
うえ、腕って美味しいの?
「不味そう」なんて言いながら、苦虫を噛んだような顔をした赤さんは、解剖学を読んでいるウサギさんの方へと歩いて行く。
赤
ウサギ、それって味とか載ってる?
ウサギ
ウサギ
食用ではないので載っていないのです。
赤
ピクm
ウサギ
ウサギ
わたしたちピクミンの解剖図や写真は別の本に載ってるのです
赤
まじかぁ、痛かったろうな
彼は刺し傷に巻かれた包帯を少し剥がして、血の滲んだそれを眺める。もちろん遺体を解剖したものなので痛みなんてないのだが。
赤
ボクも美味しいのかな
そう呟くように言った赤さんに、付添人さんは笑いかけた。
赤色のお兄さん
赤色のお兄さん
ふふ、お兄さんが食べてあげよっか?
赤
やめろ
「引くわァ」とわざとらしく苦笑いを浮かべる赤さんは、付添人さんから距離を置いた。
付添人さんの、黒っぽい赤紫色の瞳が赤さんを捉えている。
赤色のお兄さん
赤色のお兄さん
そっかぁ、残念
赤
何がザンネンだヴァーカ
あまり広くない部屋の端で、できるだけ付添人さんと距離をとり、赤さんはGrrと唸っている。
青
こら!威嚇しないの!
赤
お黙り
青さんに注意されるが、赤さんは唸るのを止めなかった。
黄
...まぁいい、お前は寝てな。数日はこっから帰れねえから。それともでっかい病院行くか?
青色の患者さん
青色の患者さん
いえ...簡単な処置ができれば僕は構いません。大人しく寝ています
赤さんとは対照的に、とても落ち着いたら様子の患者さん。そんな彼のそばに寄った付添人さんは、何か呟くように小さな声で告げた。
赤色のお兄さん
赤色のお兄さん
             
おちび
おちび
はい
おちび
おちび
お久しぶりです
おちび
おちび
赤色のお兄さんは青色の患者さんになんと言ったのでしょうか
おちび
おちび
どっかの何かできっとわかります
おちび
おちび
こいつらは割と重要キャラですよん
おちび
おちび
多分











https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Scutellaria_indica_4.JPG
界    : 植物界
階級なし : 被子植物
階級なし : 真正双子葉類
階級なし : キク上類
階級なし : キク類
階級無し : シソ類
目    : シソ目
科    :シソ科
亜科   : タツナミソウ亜科
属    : タツナミソウ属
種    : タツナミソウ

学名 【Scutellaria indica】
おちび
おちび
はい
おちび
おちび
あとこれは前回の貼り忘れ
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:W_rengyou5041.jpg
界    : 植物界
階級なし : 被子植物
階級なし : 真正双子葉類
階級なし : コア真性双子葉類
階級なし : キク類
階級なし : 真正キク類I
目    : シソ目
科    :モクセイ科
連    : Forsythieae
属    :レンギョウ属

学名 【Forsythia】

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